10月から!失業手当の「給付制限期間」が3か月→2か月に短縮
2020.8.31
10月1日以降に退職された方は、失業手当の「給付制限期間」がこれまでよりも1か月短縮されます。(自己都合退職の場合)現在退職を考えている方は、退職時期について今一度検討してみても良いかもしれません。
失業手当(失業等給付/基本手当)とは、雇用保険に加入していた人が失業した場合に受け取れる給付金のことを言います。※加入期間の要件あり
失業手当を受け取るためには、自らハローワークに出向き、求職の申し込み及び手続きをする必要がありますが、お仕事探しをする期間の生活維持費や転職活動費用として利用できるため、退職後、失業手当を受け取りながらお仕事探しをしようと考えている方も多いのではないでしょうか。
▼失業手当について詳しく知りたい方は以下の記事をご参考ください。
https://www.beauty-concier.com/articles/bcc181212/
今回この失業手当について、自己都合退職※の「受給制限期間」がこれまでより1か月短縮されることになりました。
経済的な不安から転職を躊躇している方の後押しとなるかもしれませんので、ご案内したいと思います。
また、現在退職を考えている方は、退職時期についても今一度検討されても良いかもしれません。
※自己都合退職者のうち「特定理由離職者の範囲」に含まれない人
10月以降「給付制限期間」が3か月から2か月に短縮されます
自分が望む仕事内容や待遇などを求めて転職する場合など、自分の希望によって退職する場合は、雇用保険の扱いの中では「自己都合退職」と分類されます。
そんな一般的な自己都合退職の場合、手続きを行ってから実際に失業手当が振り込まれるまでに、それなりの時間を要します。
というのも、自己都合退職の場合、一定の期間失業手当の給付が制限される「給付制限期間」が設けられているからです。
今回この「給付制限期間」について、これまで3か月間だった制限期間が2か月間に短縮されることになりました。対象になるのは2020年10月1日以降に退職された方です。
具体的に言うと、これまでは手続きを行ってからおよそ4か月後に最初の失業手当が指定金融機関に振り込まれていましたが、今回の短縮を受け、およそ3か月後には振り込まれるようになると考えて良いでしょう。
1か月給付が早まることで、その分の生活費負担が減り、転職活動を焦らずに行えるようになるのではないかと期待されています。
9月に退職の人は対象外!気をつけたいポイントは?
先ほども書きましたが、今回の給付制限期間の短縮は2020年10月1日以降に退職された方が対象となります。
そのため、9月30日までに自己都合を理由に退職された方に関してはこれまで通り制限期間は3か月となります。(退職日が9月、手続きが10月の場合も対象外です。)
つまり、現在9月中の退職を考えている方の中には、場合によっては10月まで退職を延期した方が早く手当を受けられる可能性があるというわけなのです。
退職日の再検討や再交渉が可能な方は考えてみても良いかもしれません。
また、給付制限期間の短縮は5年間に2回までとの制限もあります。これについては今後変更される可能性が高いですが、一応覚えておきましょう。
なお、これまで同様失業手当は自分が手続きを行うことではじめて受けられる制度です。失業手当を受ける予定のある方は、忘れずに手続きを行いましょう。
ただし、あえて失業手当を受けない(手続きをしない)という選択肢もあります。
というのも、失業手当の手続きを行わなかった場合、前の職場と新しい職場とで雇用保険加入期間が合算され、トータルでの加入期間が延びることになるからです。失業手当は雇用保険の加入期間に応じて手厚くなります。
まずは、失業手当を受けるか受けないかに関してもしっかりと検討しましょう。
10月以降でも「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」は短縮対象外
失業手当の給付制限期間が設けられている離職理由には、一般的な自己都合退職ともう一つ、「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」というものがあります。
刑法や法令に違反して解雇となった場合や、故意または重過失によって事業主に損害を与えた場合の解雇などがこれにあたります。
この「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇」の場合、自己都合退職とは異なり給付制限期間の短縮はありません。給付制限期間はこれまで通り3か月となりますのでお気をつけください。
ちなみに離職理由は退職後に受け取る「離職証明書」の離職区分に表記してあります。しっかりと確認しましょう。
※解雇理由に不服がある場合には、事業主とよく話し合うかハローワーク等に相談してみましょう。
新型コロナウイルスの影響で離職された方には特例もあります!
自己都合で退職された方の中でも、新型コロナウイルスの影響で今まで通りに働けず離職を余儀なくされた方などについては、「新型コロナウイルスに関する特例」が適用される場合があります。
この特例が認められると「特定理由離職者」として扱われることになり、給付制限期間がなくなります。
そのほかにも、新型コロナウイルスの影響で雇止めにあった方などの場合は、失業手当の給付日数が延長されることもあります。
いずれにしても一般的な自己都合退職よりも手厚い手当を受けられる可能性が高いですので、お心当たりのある方はぜひ、ハローワークにその旨を相談してみましょう。
なお、特例に該当するかどうかの判断は、管轄するハローワークなどが行います。手続きに必要なものなどは事前に窓口に確認しておきましょう。
参考:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークリーフレットより
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000655465.pdf
※2020年8月31日の情報をもとに編集しております