退職してから転職活動を始めるメリット・デメリット
2018.10.23
転職活動を在職中に始めるか、退職後に始めるか、迷われている方も多いのではないでしょうか。今回の記事では退職してから転職活動を始めるメリット・デメリットについて見ていきます。メリット・デメリットをしっかりと検討し、皆さんにとってベストな転職ができるようご参考ください。
転職活動を在職中に始めるか、退職後に始めるか、迷われている方も多いのではないでしょうか。
前回の記事では働きながら転職活動を行うメリット・デメリットについてご紹介しましたので、今回は退職してから転職活動を始めるメリット・デメリットを見ていきたいと思います。
退職後の転職活動にはどんな費用がかかるのか、資金はどのぐらい用意しておくと安心なのか、一見デメリットの多そうな退職後の転職活動のメリットにはどんなものがあるのか、そしてどんな人がこの転職手順に向いているかなど、転職活動の進め方を考える際にお役立てください。
転職活動にじっくりと向き合える時間が最大のメリット
経済的な不安から、一見デメリットの多そうな「仕事を辞めてからの転職活動」ですが、計画的に進めることができれば、在職中の転職活動に無いメリットを見出すこともできます。
<退職してから転職活動をするメリット>
- 転職活動の時間を十分に確保できる
- スケジュールを応募先企業に合わせられる
- 内定後すぐに入社することが可能(選考でのアピールにも)
- 自分のキャリアや働く意味など、自分の人生に向き合う時間がある
- 後がないことで集中して転職活動を進められる
- スキルアップや資格取得のための勉強、留学などに時間を使える
- リフレッシュする時間を持つことも可能(旅行、趣味、家族との時間など)
仕事が忙しすぎて転職活動をする時間があまり取れないという人は、退職してから転職活動をスタートした方が満足のいく転職ができるかもしれません。
人手不足と転職希望者への配慮として、最近の選考はスピーディーに行われる傾向にあります。そのため、選考スケジュールはタイトになりがち。在職中の転職活動では、面接の予定や入社の時期が合わずチャンスを逃してしまうこともあり得ます。その点退職後の転職活動ならその心配はいりません。面接の予定を合わせられることやすぐに入社できることが選考で有利になることもあります。
また、時間が無いことで自己分析や企業研究をおろそかにしてしまい、転職後に後悔することもあります。じっくりと自分の人生やキャリアについて考える時間や、自分のできること・やりたいことを考える時間、そして応募する企業が自分に合っているのかを見極める時間を持つことが転職成功への近道です。そんな時間を持てるのは、退職後に転職活動を始める人の方が多いでしょう。
そして、転職できなくても今の会社で働き続けることができる働きながらの転職活動と違い、転職を成功させなければという気持ちが強くなるのが退職後の転職活動です。気持ちの強さ=仕事への情熱と受け取ってもらえるだけでなく、後がないという状況は、心理的にも経済的にも負担がある転職活動の長期化を防ぐことにも一役買いそうです。真摯な姿勢をアピールして早期の内定を勝ち取りましょう!!
ほかにも、退職後の時間を転職活動以外のことにも使うことができます。スクールや資格取得、海外留学などで自分を成長させるも良し、再就職前に旅行など今まで時間が無くてできなかったことを思い切り楽しんでリフレッシュするも良し!人生100年時代、情熱と体力がある時に好きなことを好きなだけする時間を得ることは何にも代えがたい財産になるのではないでしょうか。
デメリットはやはり経済的負担
<退職してから転職活動をするデメリット>
- 退職することで安定した収入がなくなる
- 転職活動期間に応じた、生活費/転職活動にかかる費用を用意する必要がある
- 住民税や健康保険、年金などを自分で支払う必要がある
- 経済的な不安が転職活動に悪影響を及ぼすことがある
- ブランク(離職期間)が長いと説明が必要になることも
- 不規則な生活で体調を崩してしまうことも
在職中の転職活動との一番の違いは、転職活動中に収入がない点に尽きると思います。
副業や不労所得、家族の収入を当てにできるなどの場合は別ですが、一般的に仕事を辞めてから転職活動をする場合には、次の仕事を始めるまで貯金などを切り崩して生活費や転職活動費をねん出することになります。
費用の目安としては、平均的な転職活動の期間が2か月~3か月ほどと言われていますので、入社後に初給与が支給されるまでの期間がさらに1か月と考えて、その間の
- 生活費
家賃、ローン、食費、光熱水費、通信費など - 転職活動にかかる費用
履歴書の購入や書類の郵送、証明写真の撮影などの雑費、交通費、通信費、服飾費など - 住民税や社会保険料を自分で納める金額
の分は少なくとも必要になります。(社員寮からの引っ越しや、遠方へ面接に行くための交通費など、人によってはさらに費用がかかります。)
自分の生活費はいくらかかっているのか、転職にかかる費用はいくらぐらいになりそうかなどを把握し、退職前に余裕を持って確保しておくようにしましょう。
住民税や社会保険料※については、退職後は今まで給与から天引きされていたものを自分で支払うことになります。そのための手続きに手間がかかるのはもちろん、金額的にも思いがけないような負担になりますので、確認した上で相当分を用意しておく必要があります。
※社会保険(健康保険・年金)に関しては、家族の扶養に入れる場合があります。退職する際に家族の勤務している会社や自治体に相談してみましょう。
※前職で雇用保険に加入していて受給要件を満たしている場合、退職後に失業保険の給付(失業手当)を受けることができます。ただし、自己都合退職の場合は、一定の期間(3か月)は給付制限のため失業保険は支給されませんので、いずれにしても3か月分の生活と転職活動に必要な費用は確保しておく必要があります。
そして、貯金を切り崩すことそれ自体もデメリットではありますが、心理的な負担が転職活動に悪影響を及ぼすことも大きなデメリットと言えるでしょう。経済的なあせりから納得のいかない会社に入社することになってしまっては本末転倒です。そうならないためにも退職前に転職活動期間のための費用を十分に確保しておきましょう。
金銭的な不安が無い場合でも考えておかなければいけないデメリットがあります。それはブランク(離職期間)です。
一般的にブランクが長ければ長いほど転職に不利になると言われています。通常考えられる期間よりも転職活動が長引いているという場合には、面接などでブランクについて説明を求められることがあります。面接官に納得してもらえるような理由を用意しておきましょう。公的な職業訓練や、民間の資格講習など、スキルアップのために前向きに活動している実績を作っておくと良いアピールになるかもしれません。
また、ブランクが長いと生活が不規則になってしまう人もいます。不規則な生活は心身の健康を損なうこともありますので、退職後もなるべく規則正しい生活を心がけるようにしましょう。
退職してからの転職活動が向いている人
以上のことから、次のような人は退職してからの転職活動を検討してみても良いかもしれません。
- 仕事が忙しく、転職活動との両立が難しい人
- じっくりと転職活動に取り組みたい人
- 転職活動をするのに十分な資金(貯蓄)がある人
- 家族のサポートが受けられる人
- 公的な手続きなどを自分で行える人
- 離職期間にスキルアップをしたい人
- 離職期間の自由な時間を使ってやりたいことがある人
- 自己管理が得意な人
人生の大半を職場で過ごすことから、転職は一生に関わる問題です。そんな転職を成功させるためには、自分を見つめなおし、自分が転職に何を望んでいるのかを考える時間を持つことが必要になってきます。仕事が忙しく転職のために時間が取れないという人は、在職中の転職活動にこだわらず、退職後に転職活動を始めることを考えても良いかもしれません。
最大のデメリットである経済的な問題についても、転職活動にかかる費用や生活費をしっかりと把握し、在職中にその分を確保してから会社を辞めるなど計画的に進めることで、不安を払しょくすることができるのではないでしょうか。
また、退職後の転職活動が長期化してしまう場合には、失業給付金を受給しながら転職活動を続けることもできます。そのためにも、退職前に自分がいつからいつまで失業給付金がもらえるのか、いくらもらえるのかなどをしっかりと把握しておきましょう。
※2018年現在の転職売り手市場においての見解です。就職難の時には、転職先が決まる前の退職にはより慎重になる必要があります。