いよいよ大手イオンやライフがオーガニックの参入を始めましたね。
それにより、コスメ業界も今まで専門店が独り勝ちだった時代が終わり、ようやく日本中でオーガニックがスタンダートになってくる予感です。
こうなると次いでコンビニも当然ながら参入するでしょう。
この2、3年の間にぐんぐんと成長を始めたオーガニック業界。食もコスメも繊維業界もこぞってオーガニックをうたう時代が来ています。
私がオーガニック業界のお仕事を始めた時からすると、こんなにも急激に変わるものかと正直驚いていますが、これからの日本にはとても重要なことだと思っています。
でも一方ではオーガニックが「流行」のようになってしまっていることも日本独特な傾向です。
今だからこそ、きちんとしたことを知ってもらう時が来ています。
あなたはオーガニックを本当に理解していますか?
オーガニックライフ=おしゃれな人が送っている生活!?
著名な方々が発信して広がってはいるものの、その広げ方が本来のオーガニック製品の在り方を違う形で表現していることで、
オーガニックライフ=おしゃれな人が送っている生活
に少々変わって伝わってしまっていることにあるように感じます。
そのため、オーガニックがファッションの一部のように流行してくるとオーガニックもどきなブランドもどんどん増えてきました。
このまま製品が世の中にあふれかえってくると、今度は『本物のオーガニック』製品を見分けることがさらに容易ではなくなってきます。
そしてたとえ認証を持つオーガニック製品であっても、思いがあって作られているわけではないものも出てきます。
それはどういうことかと言いますと、以前、あるオーガニック製品を多く扱う店舗の従業員から電話がかかってきたことがありました。
会社を辞めて、知人とオーガニックのコスメブランドを作るとのこと。
そこで私はいくつかのアドバイスを求められました。電話の彼とはコスメのイベントで一度会っただけ。まったく親しくありません。でも電話で話す様子はまるで友達です。おそらく歳は私よりも20歳ほど年下でしょう。
違和感を感じながらもいろいろとお話をするうちに、製品にはエコサートというオーガニック認証を取得させたいという話になりました。
化粧品成分にはそこまで詳しくなさそうなのになぜ認証をとりたいと思うのか…。
私はその意図を探るため、「ブランドとして認証を取る意味は何ですか?」と聞いたところ、なんと、「目玉になるから」と言った。
そう、オーガニック認証を一つの商法と勘違いしている。
途端に、長々と電話で相談を受けていた私は急激な不快感を感じたことを覚えています。
流行になってしまうと、たとえ認証を持っていてもこんな風に想いのない製品もできてしまうのが残念でもあります。
とはいえ、認証を持つということはオーガニック製品であることに間違いはありませんから責めることもできませんしね。
正直、複雑な気持ちになることもしばしばなのです。
コスメにおいてのオーガニックとは何なのか?「オーガニック=安心な製品」は間違え
オーガニックコスメと聞くと、まずあなたがイメージするのは何でしょう。私がイベントやセミナーなどで多くの方にお聞きすると必ず帰ってくる回答は「肌にやさしい」「香りが良い」「植物のパワー」「おしゃれ」という感じがほとんどです。
もちろん植物など自然成分の計り知れないパワーは、時に大きな助けとなり、健康や美容に対して私たちの生活に豊かさをもたらします。
香り一つでも体に影響するほどの力は大きく、オーガニック製品は自然の力をできるだけ損ねないよう、地球や宇宙というパワーの恩恵を受けながら製品が作られているのです。
とはいえ、自然成分にも私たちに有利に影響するものとそうでないものもあります。そしてそれは人によっても変わってきます。
例えば、食品のお蕎麦や牛乳にアレルギーを持つ人もいます。それと同じように、コスメの成分にアレルギーがある場合、その成分が配合しているものは使うことができないかもしれません。
また、どんなに肌に良い成分だとうたわれていても、配合量で刺激感が変わったりもします。
オーガニックだから肌にやさしいということは全くの間違いであり、どんなものでも自分に合ったものを選んでいく必要があるのです。
著名人が使っていたからと自分も試したらかぶれてしまった…。なんてことはコスメでは当たり前にあるのです。
香りに関しても、天然だから大丈夫ということもありません。
実際私は香りに敏感で、香り全般が生活になくても心地よく過ごせる人。
時折、風邪に流れてくる花の香りに心が癒されることもありますが、ルームフレグランスや香水などを常に使っているとかえって気分が悪くなります。
私は、香りは必要な時に必要なものを取り入れるというのが自然であって、常に香りに包まれているのは健康上にも良くないことだと思います。
自然だから、オーガニックだから安全か…?
そこは全く違うということを、まずは知っていただきたいと思います。
次回、オーガニックとは何なのか、その本質的なことについて書いてみたいと思います。