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自然と共生して未来へつなげる意識

2022.9.5

香りのある暮らしが日常になりつつある中で、その部分をじっくりと近くで見てみたり、反対に少し離れたところから視野を大きくとって見てみてください。見えているようで見えていなかったものや、見えていなかったのに見えてきたものはありませんか。

今回は、他者や自然の中で考えるアロマテラピーについて書きました。

精油

他者への配慮とセットのアロマテラピー

アロマの香りによる心地よさと香害

「アロマテラピー」という言葉はこの数年の間にずいぶんと広がってきたと思います。アロマテラピーグッズも増え、使い方や楽しみ方も多岐にわたるようになりました。香りを生活に取り入れることで、気分転換をしたり、楽しみが増えたり、今までよりも生活の質の向上に繋がった人も多いのではないでしょうか。

その反面「香害」という言葉も新たに生まれ、主に合成香料に起因する頭痛やアレルギーなどの症状が誘発され健康被害も叫ばれるようになりました。

私は香りを扱う者として、心地よいアロマテラピーとこの深刻な香害は表裏一体であると常に注意を払いながら、生活に取り入れています。自分自身の心地良さと他者への配慮をセットとして、日頃からそれを意識しこれからも香りを使っていきたいと思います。

精油は希少なものであるという理解

また、精油(エッセンシャルオイル)はすべて天然の植物から得られる希少なものであるということも心に留めておく必要があります。

今年の春に初めて自分で育てたハーブをいくつか蒸留しました。精油がわずかにとれたものもあれば、全くとることができなかったものもあります。種類によっては、たくさんの花や葉を用意しても精油がとれない、ということがあるのです。これは実際に取り組んだからこそ痛感しました。頭で理解しているのと実際に目の当たりにするのとでは天と地ほど違いますね。

植物がもつエネルギーや生命を、大切に使っていくのもまた、香りを専門に扱い、伝える者として引き続き忘れずにいたいと思います。好きな香り1滴1滴を、大切に使っていきたいです。

やさしい世界と共生

今年の8月15日は77回目の終戦の日でしたが、今なお世界では戦争が起き、人命や動植物、自然がたくさん失われています。3年ほど続くコロナ禍では、私たちの心も身体も疲弊してきています。

以前のコラムでも書きましたが、動物や植物などの自然との共生を意識し続けることも、地球と人類の未来を考える上で大切です。

今すぐ私たちができることや見直せることとして、まずは衣食住で無理なく取り組めそうなことがあれば早速始めてみましょう。

例えば、身近なところで出来そうな2つをご紹介します。

1.  冷蔵庫の中を見直してみる

たとえば、冷蔵庫の中で無駄にしてしまっている食物はありませんか。野菜や肉、魚類は早めに調理しなければ食べられなくなってしまうものも多くあります。腐らせてしまったり余分に買ってしまい捨ててしまうのでは、その動物や植物の命を無駄にしてしまっていると言われても仕方がありません。

2. クローゼットの中を見直してみる

衣類はどうでしょうか。購入したまま一度も袖を通さずにいる洋服はありませんか。安いからと購入し、すぐに捨ててしまっているたくさんの洋服はありませんか。衣類は、リユースやリサイクルできるものばかりではありません。ゴミになればその分環境にも悪いので、見直せる部分は見直すようにしましょう。

どこまで行えば良いかは自分基準で決めて良いと思います。もし迷ったら「足るを知る」(老子)を意識することもおすすめですよ。

満足度や心の豊かさは人それぞれです。ただそこへ、独りよがりにならない、動植物や自然などの地球環境へ目を向けることも取り入れれば、またこれまでとは違った世界や生き方が見えてくるような気がします。

自分自身のささやかな取り組みが、いつの日か自分に返ってくる。それを見据えて他者とも関われたら、今よりやさしい世界になるのではないかと思えて仕方がありません。

未来へつなぐための意識

生きていると楽しいことや嬉しいこと、悲しいこと、怒りに震えること、色々あります。血のつながりや婚姻関係にある家族だけでなく、誰かとの心のつながりもまた、生きる上で必要なものではないでしょうか。

アロマセラピストとして意識していること

私はアロマセラピストとして、サロンにお越しになるお客様を元気にして、幸せな気持ちにしてお帰りいただくことで、その方の生命や私との心をつないでいます。

アロマテラピーインストラクターとしては、アロマテラピーや心や身体のこと、これまでの私の実務経験を惜しみなく伝えることで、それを見聞きし学んだ生徒たちが今度は家族や友人やお客様などにお披露目したり施術をすることで、元気や幸せを伝染させ裾野を広げていきます。

コラムニストとしては、主にアロマテラピー関連記事を執筆してきましたが、正しい内容をわかりやすく、面白くもあり且つ読んでくださった方が生活の中で取り入れられるよう、有益な情報をお送りできるようにと、取り組んできました。

これらすべて、相手の方あってこそです。かかわるすべての方やその先にいる方々の未来に少しでもつないでいくことで、自分自身が生きた証と信頼関係や絆が築けたと思っています。

動植物と共生することは私たちの未来へつながっていく

「アロマテラピーは香りを使って自分自身を癒す」、というように、一見ベクトルは、常にマロマテラピーから自分に向いていると考えがちですが、視野を広くすると、実はベクトルはたくさんの方向を向いおり、数もたくさんあることに気がつきます。

今回のコラムの通り、私たちは自然の中で生き、自然と共に生きているので、そのベクトルの先にある心のつながりや絆というのは、私たちが生きていく上でとても大切なものなのです。

自分を大切にする気持ち、相手を想う気持ち、他者を尊重すること、動物や植物を大切にすること。そうして、この地球上に生まれた私たちが、あらゆる人や動植物と共生することは、そのまま私たちの未来につながっていきます。

要らない生命なんてないですし、どの生命もすべて平等です。これからもそのことを忘れずに生きていけたらいいですね。

最後に


2016年3月からスタートした私のコラムは今回が最終回です。約6年半もの間お読みいただきました読者様には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

今後も、読者の皆様お一人おひとりが、素敵なアロマライフをお送りになれますよう心からお祈りしております。

この記事を書いたコンシェルジュ

新垣 静香/アロマセラピスト

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