短歌にみる植物物語 ~4月 桜~
2019.4.1
待ってよし、眺めてよし、惜しんでよしの桜。日本人は本当に桜が好きですよね。ということで、短歌の中に登場する植物にスポットを当てる「短歌にみる植物物語」、4月は桜です。古今和歌集より春を代表する歌をご紹介します。桜の香りの正体とその効果についても一緒に見ていきましょう。
待ってよし、眺めてよし、惜しんでよしの桜。
日本人は本当に桜が好きですよね。
桜前線が毎日のようにニュースで報道される国もめずらしいのではないでしょうか。
今月の短歌は、そんな桜に対する気持ちをよく表した歌です。古今和歌集からご紹介します。
桜の香りの正体とその効果についても一緒に見ていきましょう。愛でるだけでなく、ぜひ、香りも楽しんでくださいね。
短歌にみる植物物語 ~4月 桜~
世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし -在原業平
【意味】
世の中に桜の花が無かったならば、いつ咲くのか?いつ散るのか?などとドキドキハラハラすることもなく、春の心持ちはきっとのどかだったことでしょう。
桜をどれだけ愛しているか、どれだけ待ち望んでいるかを、あえて逆説的に詠った歌です。
平安時代も現代も桜を待ち望む気持ちは変わらないのですね。
お花見の席取りがお役目という方は、開花の時期や天気がどうなるかハラハラドキドキで業平のような気持ちをあじわっていらっしゃるのではないでしょうか。
桜の香りの正体
満開のソメイヨシノのお花見に行っても、桜の香はほとんどしません。
桜の中で香りを放つものと言えば山桜です。
私たちがなじんでいる桜の香の正体は「クマリン」という物質。
クマリンは自然に咲いている時には配糖体という形になっていて、ほとんど香りを発しません。塩漬けにすることで糖が外れて桜茶や桜餅のような香りを発します。
桜茶には花びらがたくさん重なっている八重桜、桜餅の葉は日本古来の品種である大島桜がよく使われているそうです。
それでは桜の香り効果についても見ていきましょう。
桜の香り効果
桜の代表的な香り成分であるクマリンはフィトケミカル成分(植物化学成分)ポリフェノールの一種です。
フィトケミカル成分に共通する特徴・効果の一つは抗菌作用になります。年度替わりで何かと忙しく、お出かけも多い時期なので、体を守ってもらえると嬉しいですよね。
また、桜の香りには抑うつ効果もあるとの事。春は別れと出会いの季節なので、心のバランスを取るのにも役立ってくれそうです。
そして、桜の香りには二日酔いの防止効果も報告されているので、お花見の酒宴には桜茶や桜餅をお供にしてみると良いのではないでしょうか。
桜の化粧品の美肌効果とダイエット効果
老化の原因は皮膚の酸化と糖化です。
糖化は体のタンパク質に糖が結びついて劣化を起こす現象です。人の体はタンパク質でできているので劣化=老化が起こるということです。糖化が起こるとコラーゲンやエラスチンなどの線維芽細胞の生成が阻害されるので、シミやシワ、たるみなどの原因になります。
桜に含まれる成分にはこの糖化を抑制する作用があるということで、その美容効果を期待して今ではたくさんの桜エキスを含んだ化粧品が販売されています。
また、ストレスを軽減することで食欲を適正にしたり、交感神経を刺激してやる気を起こさせたりすることでダイエット効果も期待できるそうです。
桜の咲く季節に、桜の香とともにキレイも手に入れられたら嬉しいですよね。
お湯を注ぐとパァーっと花が開く桜茶。香りを楽しみながら飲むのも良いですが、2~3個お風呂に入れて桜のバスソルトにしてみてはいかがでしょう。
新年度のスタートを心身共に健康で美しく始めたいものですね。
桜のように凛と美しく潔く次世代の若葉を育みたいと思うこの頃です。