アロマテラピーの香りを知る、学ぶ、使う、活かす
2018.3.27
今年度はたくさんの方々にアロマテラピーと香りを提供する機会に恵まれ、私自身もこれまで以上にアロマテラピーと香りのある時間の中で過ごすことが多くなりました。今回は、その中でよくお客様とお話することや気がついたこと、伝えていきたいことを綴りたいと思います。ハンドトリートメントの良さも改めてお伝えします♪
年度末ということもあり私の運営するアロマサロンも忙しくさせていただいております。
サロン業務に加えスクール業務、最近は出張施術や出張講座も多く、たくさんの方々にアロマテラピーと香りを提供する機会に恵まれ、私自身もこれまで以上にアロマテラピーと香りのある時間の中で過ごすことが多くなりました。
その中でよくお客様とお話することや気がついたこと、伝えていきたいことを綴りたいと思います。
春をイメージしたアロマの香り
アロマトリートメントなどでも、落ち着いた香りやしっとりした香りを好まれることが多い秋冬とは違い、本格的に春が近づくにつれてお花の香りや明るめの香りを好まれる方が多くなってきました。
重ための香り、軽めの香り…
アロマの香りをそんなふうに表現することもあります。
軽めの香りだけで揃えてしまうとなかなか残り香が楽しめないということにもなりますし、重ための香りはずーっと残ってしまうため気にされる方も。
お花系(フローラル系)のアロマの香りには、例えばイランイラン、カモミールローマン、ジャスミン、ローズ、ネロリ、ゼラニウムなどがあります。
ラベンダーやクラリセージはハーブ系に分類されることもありますが、アロマのブレンドをする際はお客様に香りを嗅いでいただいてフローラル系の香りと組み合わせることも多いです。
そこへ少し重ための香り、パチュリをほんの1~2滴。華やかさと重厚さが組み合わさりとても豪華な香りがします。
柑橘系の香りをほんの少しブレンドすると、決して華やかさを奪うことなく時間の経過とともに馴染んできます。
スッキリとした香りがお好きだという方も、ペパーミントやローズマリーシネオール、ティートリーやユーカリグロブルス、レモンなどだけで組み合わせるとシャープになりすぎてしまうことを気にされる方もいらっしゃいます。
香りの感じ方はそれぞれですが、系統が同じものだけで組み合わせるよりも、例えば、甘さと温かさを感じながらもスパイシーな香りであるスイートマージョラムを組み合わせてみたり、柑橘系の中でも少し苦みのあるベルガモットやグレープフルーツなどの香りをブレンドしてみたりすると、また変わった仕上がりになります。
プチグレンやシダーウッドアトラス、サイプレスなどを1~2滴入れると、渋さと爽やかさも加わります。
春のイメージはそれぞれ異なるので、正解はありません。春というイメージを膨らませていく中で、お客様をお招きするときに使いたいとか、自分自身が癒しのために使いたいなど、使用する目的もさまざま。
一般的に重ための香りだと言われている精油であっても、サッパリすると感じる方もいればスッキリすると答える方もいて、私自身もアロマカウンセリングは日々勉強です。
同じ精油の組合せであっても使う滴数によって全く異なる香りができますので、ぜひ色々とイメージを膨らませていただきたいなと思います。
アロマテラピーでやさしい香りを使うということ
アロマテラピーで言うやさしい香りってなんでしょうか。安全なこと?使って安心なこと?
ここで言うやさしい香りとは、濃度を低くしたほんのり香る程度の香りのことをお話したいと思います。
人によって香りの閾値(香りがわかる最小限度の値のこと)が異なることもあり、「やさしい香り」をお伝えするときにこれはなかなか表現が難しく、化学物質に対する過敏症をお持ちの方が不快な思いをされないよう気をつけて私も執筆しておりますので何卒ご了承ください。
アロマテラピーのイベント出張でアロマルームスプレーを作成することが多いのですが、普段、香水や市販のルームフレグランスに慣れている方の中には、私が作成する濃度1%のアロマスプレーの香りが薄く感じられるとおっしゃる方がいます。
アロマスプレーを作る前に精油そのものの香りを嗅いでいただき目の前でアロマスプレーを作成するのですが、それしか入れないの?とおっしゃる方も。確かに、とても少なく感じられますね。
実際に目の前で完成したアロマスプレーをティッシュなどに噴射し嗅いでいただいて、とても満足してくださる方もいれば、香りは良いけれどもっと高濃度のものを希望される方もいます。
そうした場合、2%濃度で作成することもありますが、やはり私としては「ほんのり香る」「なんとなくこの空間が自分好みで良い感じ」という感覚を楽しんでいただきたいなと思うのです。
限られた種類の精油の中でどんな組み合わせをすることでご満足いただけるか、どんな香りをデザインすることができるか、そしてその方のお好みの香りの強さをどうしたらちょうど良い塩梅で作成できるかは、私の腕次第です。
自分一人の空間ではなく、他の方もいらっしゃる空間で使用していただくのであれば尚更、お客様と一緒に作成したアロマスプレーで「なんとなく感じの良い空間」を創れたら、お互いに幸せだな、と思うのです。
ハンドトリートメントはする側もされる側も幸せになる
ハンドトリートメントについてはこれまでのコラムでも何度も書いています。それくらい何度でも伝えたいのがハンドトリートメントによるあたたかさなのです。
最近はハンドトリートメントを習いたい、という方が私のアロマスクールには殺到しています。本当にありがたいことです。ハンドトリートメントはする側もされる側も、心も身体もあたたまることばかりなのです。
ざっくばらんにお話ししてしまうと、安全面さえ十分に気をつけていれば、技術はなくとも良いと思っています。もちろん技術をしっかりと身につける方が良いのは言うまでもありませんが、最初は見よう見まねでも、下手っぴでも良いのです。
相手を想う気持ちを大切にして、ゆっくりゆっくり呼吸をしながらハンドトリートメントをすることで「温度」が伝わります。
治療をうたうことや治療目的で行うことはできませんが、実際にハンドトリートメントを受けたことでポカポカしてきたり、ボーっとしたり、眠くなったり、動かなかった指や手が動くようになったりという方も多々いらっしゃいます。
そして、お互いにやさしい気持ちになります。
何も会話しなくても手から手へ伝わることってたくさんあります。
技術がなくてもハンドトリートメント中に話をすることでなんだかスッキリとした気持ちになることもあります。
ハンドトリートメント中の過ごし方は十人十色。
私がこの仕事をしていて良かったと心から思うのが、このハンドトリートメントです。
フェイシャルやボディトリートメント、フットトリートメントなどたくさんの施術を私は学んできました。そして今でも現役のセラピストとして毎日お客様に施術させていただいています。
その中でも特にハンドトリートメントについては、お仕事でも、そして家族に対しても、ハンドトリートメントをするということが躊躇なくできることに、心から良かったと思っています。
その想いがお客様にも受講生さんにも伝わっていると良いなと思いますし、この輪を広げていきたいなと思っています。
いかがでしたでしょうか?
今回は私の経験を中心に、今求められているアロマテラピーや私自身が施術やイベントなどで感じていること、伝えたいことについて書きました。
香りにご興味のある方はぜひ今改めて向き合っていただき、ハンドトリートメントを受ける機会がいつかどこかでありましたら受けてみていただきたいなと思います。