うつやストレスなど自律神経の乱れとおすすめしたい精油5選
2023.11.8
強い倦怠感・眠れない・気持ちが沈む・漠然とした不安に襲われるなど、誰もが一度は感じた心の不安なども、長く続くと「うつ病」と診断されるそうです。
うつ病に悩んでいる方は100万人にもなると言われています。この人数から見ても身近な病気だと言えますね。
「まじめで責任感が強い人」「周囲への気配りができる人」がなりやすいと言われ、過度なストレスを抱えることで、自分の頑張れる容量をオーバーしてしまい、心のバランスが崩れてしまうために起こってしまいます。
うつを感じる方は、何も考えずにリラックスすることが大切です。
アロマの中には「自律神経を安定化」させたり「抗うつ作用」があるとされるものがあり、リラックスできるアイテムとして、アロマを取り入れている病院もあります。
今回はご自宅でリラックス空間が作れるアロマをご紹介していきます。
うつや気持ちの落ち込みは自律神経の乱れが原因
通常、私たちは、ストレスを感じる緊張状態になったり、リラックスした状態になったりと、自動的にスイッチを切り替えられるようになっています。
お仕事モードのON状態から、帰宅した時のリラックスモードになるOFF状態という感じですね。
ストレスというとネガティブな印象を抱くかもしれませんが、適度なストレスを感じることで緊張感を上げ、集中力を高めることができるなど、良い効果が期待できます。
一方で不安や緊張状態が長時間続いたり、多すぎたりすると、リラックスモードへの切り替えが上手にできなくなり、酷い時には、めまいや動悸が続いたりといった身体的な症状が現れることもあります。
私たちの心は常に身体と繋がっていて、過度なストレスにより自律神経の働きやバランスが悪くなった時に身体を通じてサインを出していると考えられており、この自律神経の乱れがうつや気持ちの落ち込みなどに繋がっていると言われています。
そもそも自律神経とは?
自律神経の乱れが原因で身体の不調がでてくるとよく言われていますが、そもそも「自律神経」とはなんでしょうか?
分かりやすく一言で表すと「生命維持を司る神経」です。寝ている時に呼吸したり、暑い時に汗をかいて体温調節したりと、生きていくために必要な身体の働きを無意識のうちにコントロールしてくれているのが自律神経なんです。
そしてこの自律神経は交感神経と副交感神経の2種類に分けられます。
交感神経は、体や心が興奮モードの時に優位に働きます。心拍数や血圧が上昇し、ストレスがかかっている時、いわゆる緊張状態にあるときに交感神経が働きます。
副交感神経は、体や心が「リラックスモード」の時に優位に働きます。余計な力が抜けて心拍数が落ち着き、体を休める時に働きます。
夜になると自然と眠くなりますよね、これは副交感神経のスイッチが入るからです。
この自律神経はとても繊細で、気候や気温の変動、生活環境の変化など外的な環境変化や睡眠や食事などの影響も受け、自律神経が乱れることで、不眠、頭痛、肩こり、胃腸の不調、疲労感などの不調に繋がるとされています。
自律神経を整えるために
では自律神経を整えるためにはどうしたら良いのでしょう?
そもそも自律神経は「無意識」のうちに働いているものなので、「意識」して調整することができません。同様に無意識のうちに乱れてしまうので、整えて正常な状態にするためには、乱れる原因を取り除いてあげることが必要になってきます。
現代社会においてはストレスと上手に付き合っていくことも必要ですが、まずは気軽に取り組める数点をピックアップしてみました。
生活リズムを見直す
不規則な生活は自立神経が乱れる原因のひとつ。夜更かしや昼夜逆転の生活、睡眠不足などが続くとリズムが崩れて交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかなくなります。
食生活を見直す
偏った食生活で身体の機能を調整してくれる栄養素が不足すると自律神経が乱れやすくなると言われています。規則正しい食生活は体の土台を作る意味でも重要ですが、自律神経を整える意味でも重要なポイントです。
ハーブティーなどを取り入れてリラックスする時間を意図的に作ったりするのもおすすめですよ。
服装を見直す
気温の変化や室温の変化に対応できるように脱ぎ着しやすい服装をして、自律神経の過剰な働きを抑えてあげるのもおすすめです。また自宅にいるときはリラックスできる服装にするなど、環境に応じて調整することも大切です。
適度な運動をする
適度な運動は身体をほぐしたり、血流を良くしたりといった身体的な効果だけでなく、気分転換やストレス解消にもつながります。また、定期的な運動は生活のリズムをつくってくれるので無理のない範囲で取り組んでみましょう。
好きな音楽や香り、読書など好きな環境に身をおく
音楽を聴いたり、読書をしたり、自分がリラックスできることに取り組んだり、環境に身をおいたりすることも自律神経を整える効果があるとされています。アロマを使って香りを楽しんだりするのも気軽にできるリラックス方法ですよ。
秋は気持ちが落ち込みやすい季節
食欲の秋、読書の秋、と様々な表現がありますが、暑かった夏が終わり、過ごしやすい秋に入ると、何だかもやもやしたり、寂しい気持ちになったり、気付いたらいつもより感傷的になっているなと感じたことはありませんか?
この原因としてあげられるのが「日照時間」。
太陽の光を浴びると、セロトニンと呼ばれる精神を安定させる脳内物質を分泌します。
秋の夜長という表現もありますが、日照時間が短くなる秋は、セロトニンが不足しがちになり不安定になりやすい季節。うつ病を引き起こす原因の1つとも言われています。
紫外線も気になるところですが、朝は太陽の光を浴びるなどして、リズムを作っていきましょう。
アロマで自律神経を整えられるは本当?
五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の中で、その感覚が最も脳にダイレクトに伝わる器官が「嗅覚」と言われています。
五感の中で唯一匂いだけが、感情や本能に関わる「大脳辺縁系」に直接伝達するとされており、大脳辺緑体にある海馬がその情報を記憶しています。皆さんも美味しいご飯の匂いや懐かしい実家の匂いなどを感じると、それだけで幸福感が得られたり、リラックスした気持ちになった覚えはないでしょうか。
そして、匂いは自律神経を司る「視床下部」にもダイレクトに届いており、精油(エッセンシャルオイル)の香りが脳に伝わることで、自律神経に働きかけ望んでいる作用を与えてくれるとされています。
これらの作用から「匂いや香り」は人間の身を守ったり、生活に潤いを与えたりするものとして古くから活用されてきましたが、アロマテラピーはその代表例と言えるかと思います。
天然由来成分の精油(エッセンシャルオイル)を使うことで体にも優しく作用するのが魅力で、日本国内ではリラクゼーションのイメージが強いアロマテラピーですが、実際に医療や介護の現場でも取り入れられています。
おすすめしたい精油5選
では、リラックス作用や抗うつ作用が期待できる精油(エッセンシャルオイル)をご紹介したいと思います。
ラベンダー
繊細で柔らかな香りは心の緊張をほどいてくれるような香り。
眠れない、不安を感じる時、ストレス、あらゆる心のバランスが崩れた時に手を差し伸べてくれるイメージです。
ラベンダーに30~40%含まれる香り成分リナロールには、抗不安、催眠、鎮静、鎮痛作用にアプローチするためリラックス効果ができ、ストレスの軽減にも効果的と言われています。
また香り成分の酢酸リナリルは、交感神経の緊張を抑えて、副交感神経を優位に働かせる効果があるとされています。
ベルガモット
上品でさわやかな香りは紅茶のアールグレイの香り付けにも使われることも多く、実際の実は見たことがなくてもその香りはご存じの方も多いのではないでしょうか。
ベルガモットは「天然の抗うつ剤」と呼ばれる程に、うつ症状にアプローチしてくれるとされています。
精神を安定させる「セロトニン」の分泌を手伝ってくれるので、太陽光を浴びた時のような抗うつ効果を与えてくれることが研究でも実証されています。
ベルガモットにもラベンダーと同じリナロール、酢酸リナリルが含まれているので、鎮静作用にアプローチし精神的なストレスや精神疲労に効果があるとされています。
また、柑橘系の甘い香りは気持ちをリラックスさせてくれます。心配事や考え事で眠れない時には、ベルガモットの香りを使ってみるのもおすすめです。
グレープフルーツ
グレープフルーツを口に入れた時のような、みずみずしく爽やかで少し苦みを感じさせる香りは、落ち込んだ時や色々な事がうまくいかなくてモヤモヤを抱えた時にリフレッシュさせてくれます。
グレープフルーツにはリラックス効果が得られる「リモネン」が90%以上含まれているといわれています。
このリモネンの働きにより、不安な気持ちを落ち着かせてくれて、さらにやる気を起こすドーパミンの分泌も促すので、何もしたくない、気力が湧かないといった時にパワーを与えてくれますよ。
ネロリ
『天然の精神安定剤』と呼ばれ、心に強く働きかけるアロマです。
興奮と鎮静のバランスが良く、心の不安定な状態を鎮めてくれて、深いリラックス感を与えてくれます。
これはネロリに含まれる、リナロール、リモネンによるものだと言われています。
ビターオレンジ(橙)の花から抽出されるため、香りはフローラルな中にもシトラスの爽やかさを兼ね備えています。
香りを嗅ぐだけで全身の緊張が解けていく感覚を味わいますよ。
天然の精神安定剤とも言われ、ミカン科の常緑樹であるビターオレンジの花から抽出される希少な精油
サンダルウッド
サンダルウッドは古来より儀式などに使用されてきました。
和名は「白檀(ビャクダン)」。こちらの名前ならご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。
お寺などで焚かれるお香をイメージされるように、落ち着いた香りは馴染み深く、スーッと肩の力が抜けるのが分かります。
心を鎮静させ、心身の調和にアプローチしてくれると言われています。ザワザワした心を落ち着かせ、不安で眠れない時などにおすすめの香りです。
手軽にできるアロマの楽しみ方
お気に入りの精油は見つかりましたか?
今回の目的はリラックスですので、構えずにこれらの精油を簡単に楽しむ方法を紹介します。
1.芳香浴
芳香浴とは、精油(エッセンシャルオイル)の香りを空間に広げて楽しむことを「芳香浴(ほうこうよく)」と呼びます。
芳香浴は、”どの家庭にも置いてあるもの”を使って簡単に始めることができますよ。
ティッシュ・コットンに垂らす
ティッシュやコットンに精油(エッセンシャルオイル)を1.2滴垂らすだけ。
専用の道具の必要が無いので、すぐにお試し頂けます。
精油(エッセンシャルオイル)は直接皮膚に触れるとかぶれてしまう可能性があるので、垂らした面を内側に折って近くに置きましょう。
お部屋にふわっと香りが広がっていきますよ。
アロマストーン
珪藻土や素焼きなどの素材で作られたアロマストーンに精油(エッセンシャルオイル)を2.3滴垂らして香りを拡散させます。
火を使わないので、寝室やお子さんがいる空間でもお使いいただけます。
色々な形のものが売られているので、お気に入りの1つを見つけてみてください。
アロマディフューザー
アロマディフューザーとは、精油(エッセンシャルオイル)香り成分を拡散させ、香りを楽しむための器具の総称です。
最近では自宅やオフィスはもちろんですが、ホテルや店舗などでもアロマディフーザーを使って空間つくりをされているシーンを見かけます。
種類も多いので、使い方に合わせて選んでください。
2.アロマバス
気力が沸かないと、何もかも億劫になってしまいます。
重い腰をあげてせっかく入るお風呂、どうせなら身体を労わる癒しの時間にしてあげませんか。
入浴にアロマを取り入れることで浴室に広がる香りを楽しめるだけでなく、アロマの成分が皮膚からも浸透してきますよ。
〈準備するもの〉
・あら塩……大さじ2杯
・おすすめのアロマ……6滴
・小さめの器
・かくはん棒
〈作り方〉
1. あら塩 大さじ2杯を小さな器に入れます。
2. おすすめのアロマを6滴加えます。
3. かくはん棒でよく混ぜます。
4. お好みの温度のお湯に入れてかき混ぜてから入浴してください。
リラックスしたい時には、40度くらいのお湯にじっくり浸かると良いと言われています。
★もうちょっと贅沢に!アロマを使った「ミルクバスで極上バスタイム」レシピはこちら
アロマを使って自分を労わる時間を作ってあげましょう
真面目な方や頑張り屋さんはとても素敵です。でも、頑張り過ぎて自分の心がきゅうくつな思いをするのは悲しいですね。
なんだか疲れてるな。不安定だな。と感じたら、ストレス発散や気分転換の1つとして、アロマに癒されてみてはいかがでしょう?
アロマの香りを楽しみ、何も考えずに頭をカラッポにして、身を委ねてみてください。アロマはいつでも傍にいて、あなたを包み込んでくれますよ。
心が笑顔になりますように。