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心地よい時間を過ごすために覚えておきたい香りの身に付け方と香らせ方

2022.3.7

香りを身に付けたいけれど、スメハラ(スメルハラスメント)や香害と言われてしまうのが怖くて、なかなか好きな香りを付けられないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、精油を使った香り作りのポイントとTPOに合わせた香りの身に付け方やポイント、注意点などをご紹介します。

精油 ブレンド

距離が近いところで香らせる場合のポイントと注意点

鼻から遠い場所に軽く付ける

誰かと会う時や人が多い場所で香りをさせる時には、「このくらいで本当に足りているのかな」と思うくらいの少なめの量にしましょう。

香りは、膝裏や足首(くるぶし付近)に軽く付けます。日中は活動しているので体温が上がりやすく、手首や首筋、耳たぶの後ろなど、上半身にたっぷりと付けてしまうと、他の人の鼻にも香りが届きやすくなります。

たとえ付けている本人が良い香りだと思っていても、他人にとって強すぎる香りや苦手な香りは、良い香りを意味する「芳香」というより「臭い≒クサイ」と思われてしまう可能性が高いです。

鼻から遠い膝裏や足首(くるぶし付近)に香りを付けることで、体温が上がっても他人に強い香りがそのまま届くことはあまりなくほのかに香らせることができます。歩き出すと風に乗ってほんのり香り、それがまた上品です。

香りに気を付けたほうが良い場所とは

特に気を付けたいのは、満員電車などの、人が多く身動きが取りにくい場所での香りです。満員電車で他人と密着せざるを得ないほどの状況の時には、そのせいで体温が上がりやすくなります。すると、上半身に付けている香りは近くの人に届きやすくなってしまいます。

オフィスなども、コロナ禍でこまめな換気をされているとはいえ、やはりマナーをもって香りを身に付けるのが大人のたしなみといえます。

香水やコロンより天然アロマのやさしいものを

香水の強い香りでなくても、香りを身に付けたい場合は天然エッセンシャルオイルを使って、オリジナルの香りブレンドを作り、アロマスプレーや練り香水を作って付けてみましょう。

香水の香りは時間の経過とともにゆっくりと移り変わりますが、エッセンシャルオイルをブレンドしたときも同じように楽しむことができます。

エッセンシャルオイルを使った「香りのブレンド作り」

香り立ちには、最初に香りが鼻に届くものをトップノート、途中から香ってくるミドルノート、最後にじわじわと香ってくるベースノートの3種類があります。

エッセンシャルオイルが一般的な香水と違うところは、すべて天然のものから作るため揮発しやすいことが挙げられます。その種類によって早く香りが消えてしまうものから、長く香りが持続するものまでありますので、香りを残し過ぎず、強すぎないように気をつけてブレンドをしていきます。

香りの第一印象「トップノート」

  • レモン
  • スイートオレンジ
  • ペパーミント
  • ユーカリ
  • グレープフルーツ


最初に鼻に届く、香りの第一印象となる香りです。スーッと抜けるような、軽めの香りに多いです。5~15分程で香りは消えてしまいます。

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使いやすい爽やかな香りで人気のグレープフルーツ

香りのメイン「ミドルノート」

  • ラベンダー 
  • イランイラン 
  • ローズ 
  • ジャスミン 
  • キンモクセイ


そのブレンドの主役となる香りです。30分~1時間ほど香りが楽しめます。
ここで人前に出るとちょうど良いとされていますので、誰かと会う時にこの部分の香りを表現したいと思ったら、その大切な時間の30分ほど前に香りを付けると良いでしょう。

最後まで香る「ベースノート」

  • サンダルウッド
  • ヒノキ 
  • パチュリ 
  • ベチバー 
  • ベンゾイン


ゆっくりと香ってきて持続します。残り香と呼ばれる部分です。トップやミドルとブレンドすることで香りを長持ちさせてくれます。2時間~6時間持つものもあります。

香りのバランスとしては、好みや用途にもよるかと思いますが、まずはトップ:ミドル:ベースを4:4:2もしくは、3:5:2の割合でブレンドしてみてください。肌に付ける場合は、濃度1%以下に希釈してから身にまといます。アロマスプレーや練り香水を作って、香りを付けてみましょう。

はっきりと香らせたい場合の香りのつけ方と注意点

特別なイベントなどで香りをしっかりと身に付け主張させたい場合は、首筋や胸元、うなじ、耳の後ろなどに付けます。

気をつけるのが、香りを付けた後に屋外で過ごす時間が長い場合です。香りを付けた後、直射日光を浴びてしまうと光毒性や光感作を起こしてしまう可能性があるので、そのような時間、場所では付ける箇所に気を付けてくださいね。

先述のように、時間や活動量などで体温が上がり身に付けた香りがどんどん強くなっていきます。はっきりと香りをさせたい場合であっても、足りないかなと思うくらいで止めておくのがベストです。

また、たとえイベントの場であっても食事のシーンでは強い香りを身に付けるのはマナー違反です。お料理は美味しい匂いや彩り、盛り付けなどを楽しむものですので、身に付けた香りが邪魔をしてしまうようなことがないように気を付けましょう。

香りをつけ直すときのポイントと注意点

最初に付けたところに何度も重ねるのではなく、少し離れたところに付け直します。たとえば、最初にうなじや耳の後ろ、胸元などに付けたのなら、太ももの内側や膝の裏に付けます。すると、付ける箇所がだいぶ変わるので、重ね過ぎ(付け過ぎ)るというのを防ぐことができます。

また、注意するポイントとして、自分では気が付かないうちに鼻が利かなくなるということがあげられます。鼻が利かなくなることで香りの付け過ぎを招いてしまうということがあるので、付け過ぎが心配な場合は、コットンなどに香りを1~2プッシュしたものを胸元に挟んでおいたり、ショーツに挟むなどしておくと、香りが強くなりすぎるのを防ぐこともできます。

肌が弱いけれど香りを身に付けたい、という場合にも、この方法なら直接肌に付けるのとは違い、化粧室で付け外しが簡単にできるのでおすすめです。あるいは、付け直しを肌ではなく髪の毛先にするのもおすすめです。

後ろ髪の毛先から20~30cm離れたところから1~2プッシュします。サイド部分は顔についてしまうことがあり香りも強く感じられるため、付け直しをする場合は後ろ髪の方がおすすめです。

スメハラ、香害と言われないために

香水ではなく柔軟剤で香りを身に付ける人も近年多いですが、香水であろうと柔軟剤であろうと、毎日自分が使っていたり身に付けているものは慣れが生じ、香りに鈍感になります。あなたにとっての「良い香り」が他人にとってはクサイ「ニオイ」や強い香りとなってしまう可能性もあるのです。

ニオイの指摘というのは他人にしづらく、辛い思いをしている人もいます。もしかすると、今あなたの隣にいる人や身近な方でも「香り」「匂い」「臭い」の化学物質が原因で心身共に疲労している方もいるかもしれません。

香りを付けることは、おしゃれでもありますし、たしなみの一つとも言えます。ですが、それはお互いにとって気持ちの良いものでなければなりません。どちらか一方が我慢しなければならないのは、幸せなことではありません。

香りを身に付け楽しむときに一度立ち止まって周囲を気にかけることができたら、きっと香りと一緒にやさしい時間を過ごせるはずです。

いかがでしたでしょうか。

TPOに合わせた香りの付け方を知ると、周囲を不快にせず、今よりもっと自分自身も香りを楽しめます。

初心者の方は、まずはやさしめの香りからチャレンジしてみましょう。

この記事を書いたコンシェルジュ

新垣 静香/アロマセラピスト

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