上手に使って快適なアロマライフを|精油ともう一度向き合う年末
2021.11.26
今年も残りあと1ヶ月と少しとなりましたが、この1年で購入した精油や芳香蒸留水を眠らせたまま放置している方はいませんか。
今回は手元に残った精油の状態チェック方法と、その精油を普段の生活の中で上手に使い切る方法をお届けします。
年末に向けて、精油や芳香蒸留水を改めてチェックして、植物の恵みに感謝しながら、無駄なく快適なアロマライフに取り組んでみましょう。
手持ちの精油がどんな状態か、精油瓶の中をチェック
今お持ちの精油瓶をすべて出しましょう。遮光瓶なので中は見えにくいかもしれませんが、少し明るい場所に移動し瓶の中を確認してみてください。
確認する内容は、下記の4点。
①中の量があとどのくらいか(残量)
②外側から見て、白濁していたり澱が出ていたりするかどうか
③ティッシュに1滴落としたときの色と粘度
④香りの変化
種類がたくさんある場合は、一度に全てを確認するのは大変だと思うので、最近買ったものは除外するなど工夫してください。
そして、もし今年ではなく昨年購入したものがある場合は、優先的に確認するようにしましょう。
①残量があとどのくらいかをチェック
残量がわずかだからといって、無理矢理急いで使うものではありませんが、購入時期がだいぶ前だったり、もともと瓶の大きさに対し少量しか入っていないタイプの精油を購入していた場合、頻繁に瓶の蓋を開け閉めしていたら酸化が進んでいる可能性がありますので、この機会に使ってしまいましょう。
②外側から見て、白濁していたり澱が出ていたりするかをチェック
柑橘系の精油や、精油の種類によって白濁したり澱が出たりすることがあります。メーカーの注意書きなどに「澱が出ることもある」「澱が出たり白濁しても品質に問題はない」等と書かれている場合はさほど気に病む必要はありませんが、心配な場合は購入時期や開封時期を調べておいて、メーカーに問い合わせても良いと思います。
ただ注意書きなどもなく白濁してしまっている場合は、きっとこのままアロマトリートメント用にする(肌に塗布する)には心配だと思います。
このような場合は、アロマトリートメント用に使うのではなく、④のように香りが明らかに変化していなければ掃除用にして早めに使い切っても良いかもしれません。
あくまでもこの白濁は、精油についてのお話しです。この後に出てくるアロマスプレーを作った時に白濁する現象についてのお話ではありませんのでお気をつけください。
③ティッシュに1滴落としたときの色と粘度をチェック
まずティッシュに1滴落としてみてください。購入した時に比べて、色が大きく変化していたり、粘度(粘り気)が高くなっていませんか。
精油の種類によっては粘度の高いものもありますが、明らかに購入した時や使い始めた時と比べて粘度が高い場合(こってり、もったりしてべたついている感じがある場合)は、購入時期や開封時期を改めて思い返してみて、年月が経ちすぎていないかどうか確認しましょう。
<粘度が高い精油>
・サンダルウッド
・ヒノキ
・パチュリ
・ベチバー
・ミルラ
・ベンゾイン
・スパイクナード、等
粘度が高い精油は、香りとしても少し重ためのものが当てはまります。ですが、粘度が高くなったからといって早々に捨ててしまってはいけません。
これらの精油は、粘度こそ高くなっているものの、寝かせたことで(時間が経ったことで)香りの角が取れ、より深く、豊潤になっているものが多いのです。
そして、無水エタノールを少し混ぜ希釈するなどすればまだまだ使うことができます。
このあとお伝えするスプレーや、リードディフューザーに使用するなどして、しっかりと最後まで大切に使いましょう。
④香りの変化
先程の③の説明でも述べましたが、経過とともに香りが深くなるものもあれば、最初に開栓した時の香りよりも、明らかに酸味のある香りになってしまっていることもあります。
後者の場合は、リードディフューザーやスプレーにするというよりも、掃除に使うなどしてなるべく残さないようにしましょう。
そして、次からは、少量で購入するように心がけてみてくださいね。また、今後は香りの変化に敏感になるよう、鼻を鍛えましょう。
開けっ放しの芳香蒸留水の上手な使い方
前回のコラムで、加湿器の水に少し芳香蒸留水を入れて使うこともできるということを書きました。
先述の精油同様に、芳香蒸留水もだいぶ前に開封したのにそのままになっていませんか。
芳香蒸留水は、そのまま化粧水やボディローションとして肌に塗布したり、スプレーボトルに移し替えてヘアスプレーやルームスプレーにしたり、お風呂に少し入れてやさしい香りを楽しんだり、という方法があります。
自宅のカーテンを洗う時にアロマを使う
大掃除のタイミングでカーテンを洗う方も多いのではないでしょうか。今回は、ぜひ自宅の洗濯機でカーテンを洗うときにこの芳香蒸留水を使ってみてください。
「洗い」のあとの「すすぎ」の時に、芳香蒸留水を10~20ml入れます。たったこれだけです。色が付いている芳香蒸留水の場合は、すすぎの水が少し溜まってから入れると安心ですね。
やさしい香りがほんのりと移り、洗い立てのカーテンをレールにかけた時に、外から吹く爽やかな風と一緒に、部屋の中もすがすがしく感じられるはずです。芳香蒸留水は精油と違い香りはさほど強くないので、部屋中が香りでいっぱいになることはなく、時間が経てば香りも気にならなくなります。
私も毎年サロンのカーテンを洗う時には、この瞬間が楽しみです。天気の良い日にカーテンは洗うので、明るい日差しと爽やかな風が一緒に洗い立てのキレイなカーテンを通して入ってくるので、サロン中がキラキラします。
マスクスプレーやルームスプレーを作ろう
スッキリした香りが残り僅かで使い切りたい、という場合は、これからまた流行るかもしれない感染症にそなえて、マスクスプレーやルームスプレーを作るなどするのも良いかもしれませんね。
材料
- スプレーボトル(30mlサイズの場合)
- 無水エタノール:5ml
- 精製水または水道水:25ml
- 精油:1~6滴
作り方
- スプレーボトルに無水エタノールを入れる
- 精油を入れ、よく混ぜる
- 2が溶けているのを確認し、精製水を加える
- よく混ぜてスプレー部分をつけて完成
<マスクスプレーの場合>
精油はまず1~2滴にしておきましょう。香りのついたマスクは目や鼻などの粘膜に近いので、精油の種類によっては刺激が強すぎます。また、マスクスプレーは必ずマスクの外側にスプレーしてください。最初は1プッシュで充分ですよ。
<ルームスプレーにする場合>
精製水にこだわらなくても水道水でも充分です。もし使い切らなければならない精油が数種類あれば、せっかくなので勉強だと思ってブレンドにチャレンジしてみてください。また、精製水ではなく芳香蒸留水を使っても良いです。
どちらのスプレーも、使う前に必ずよく振ってからスプレーするようにしましょう。今年中に作ったら、大体2週間~年内には使い切るようにしてくださいね。
また、先述のようにアロマスプレーを作ると白濁することがあります。主に柑橘系の精油を使った場合に白濁しやすいです。この現象は心配しなくて大丈夫です。
いかがでしたでしょうか。
今回のコラムの前半では、精油を使い切ることに意識が向いたと思いますが、あくまでも私たちは植物の命を「精油」という形で使っています。精油を使う時は、植物の恵みに感謝を込めて使えたらいいですね。
私の生活を彩ってくれて、豊かにしてくれてありがとう……そんな気持ちを持って香りを使えたら、「使う」のも「使わない」のも無駄にはならないのではないか、と思います。