エッセンシャルオイルと水溶性エッセンシャルオイルの違いとは?
2024.7.26
エッセンシャルオイルと水溶性エッセンシャルオイル。どちらも耳にしたことがあるのではないでしょうか。「エッセンシャルオイル(精油)」と「水溶性アロマオイル」は、その成分と用途において大きな違いがあります。今回は、エッセンシャルオイルと水溶性エッセンシャルオイルの違いと使い分けのポイントについてご紹介します。さらに後半ではキャリアオイルと水溶性キャリアオイルの違いについても見ていきます。
エッセンシャルオイルと水溶性エッセンシャルオイルの違いを知る
アロマショップへ行くと、最近では「エッセンシャルオイル」と書かれているものと、「水溶性エッセンシャルオイル」と書かれているものがあります。
「え?どう違うの?」
「どうやって使い分ければ良いの?」
「どっちを買えば良いの?」
と思われた方も多いはず。
実はこの2つのエッセンシャルオイルの違いを理解することで、使い分けができるようになります。
今回は、エッセンシャルオイルと水溶性エッセンシャルオイルについて、さらに後半ではキャリアオイルと水溶性キャリアオイルについて、違いや使い分けのポイントをご紹介します。
エッセンシャルオイルとは
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然の素材で、有効成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質である。各植物によって特有の香りを機能を持ち、アロマテラピーの基本となるものである。
参考:(公社) 日本アロマ環境協会 | アロマを知る | 精油とは
エッセンシャルオイルは植物から抽出された100%天然由来の芳香物質です。
エッセンシャルオイルは水より軽く、水には溶けにくい性質があります。ところが、アルコールや植物油には非常によく溶けます。
人為的な加工を一切していないもの(ピュアナチュラル)もあれば、脱テルペン処理や脱フロクマリン処理が行われているものもあります。
上記にあるように、水には溶けにくいという性質があるため、エッセンシャルオイルを水に直接垂らすとほぼ混ざり合いません。
水溶性エッセンシャルオイルとは
水溶性エッセンシャルオイルは、エッセンシャルオイルと界面活性剤(乳化剤など)を混ぜたものをいいます。
エッセンシャルオイルよりも、比較的安価に手に入るため、お手軽に香りを楽しみたい方向けです。
水に溶けやすいように加工されているため、成分表示には「水」「乳化剤」「香料」と表示されていることが多いです。
メーカーによっても異なりますが、【精油、可溶化剤】【水、乳化剤、香料】など記載されているものもあります。
100円均一ショップや、雑貨屋でも取り扱いはありますが、エッセンシャルオイルと水溶性エッセンシャルオイルの見分けがつかない時には、ラベルの成分表示を確認すると良いでしょう。
エッセンシャルオイルと違い水に溶けるようになっています。
水溶性エッセンシャルオイルはアロマテラピーにも使えるの?
水溶性エッセンシャルオイルも良い香りするからアロマテラピーに使えるのでは?と考えますが、
(公社) 日本アロマ環境協会の定義では、『アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、美と健康に役立てていく自然療法です。』とあります。
肌に負担がかかると言われている、界面活性剤(乳化剤など)が混ざった状態の水溶性エッセンシャルオイルは、精油(エッセンシャルオイル)ではないため、トリートメントなど身体に直接塗布するような、アロマテラピー使うことができません。
香りを楽しむために加工されたものなので、お風呂に入れて入浴することや、ボディトリートメントにお使いいただくことはお控えください。
どのように使い分ければ良いの?
エッセンシャルオイルと違い水に溶ける水溶性エッセンシャルオイルはアロマディフューザーやアロマルームスプレーなど芳香浴として使用するのに向いています。
アロマディフューザーの種類によっては「水溶性エッセンシャルオイル」しか使用できないディフューザーがありますので、ご使用前にお手持ちのディフューザーが対応しているかご確認ください。
水溶性エッセンシャルオイルなら水にそのまま垂らして使えるため、簡単でお手入れもラクチンで使い勝手が良いでしょう。
ただし、水に溶けるからといって、お風呂に垂らしたり足湯のために使ったりするのは控えましょう。アロマトリートメントも同様です。
身体に付着する使い方をする場合は、水溶性エッセンシャルオイルの使用は避け、エッセンシャルオイルと書かれているものを使用します。
その際も、直接肌にエッセンシャルオイルを垂らすのではなく、キャリアオイル(植物油)などにブレンドして使います。
また、水溶性エッセンシャルオイルのハウスキーピングでの使用も避けましょう。家具を傷めてしまう可能性があります。
メーカーにより、アロマディフューザー用のオイルを水溶性アロマオイルとしていたり、水溶性エッセンシャルオイルと言っていたり、さまざまな用語で販売されています。
使用目的を確認した上で、どうしても不明な場合は専門のスタッフに使用目的と合っているか尋ねるか、「エッセンシャルオイル」と書かれているものを購入し、使用目的に合わせ基材を別で購入し使い分けるようにしましょう。
キャリアオイルと水溶性キャリアオイルの違いは?
アロマの基本、キャリアオイルとはどんなものなのか正しく理解していますか?
キャリアオイルとは、脂溶性の性質を持つエッセンシャルオイル(精油)を経皮吸収させる目的で希釈に使用する植物油のことをいいます。
ホホバオイル、スイートアーモンドオイル、マカデミアナッツオイル、オリーブオイルなど色々あります。
最近、業界の流れといいますか、注目されてきているのが水溶性のキャリアオイルです。
キャリアオイルと水溶性キャリアオイルにもエッセンシャルオイルのような違いがあります。
水溶性キャリアオイルとは、上記で紹介した水溶性エッセンシャルオイルと同様に、水に溶けるよう界面活性剤を使用し親水性にしたものをいいます。
メーカーによりその配合の仕方はさまざまで、植物由来の界面活性剤を使用したものもあれば、純粋な植物由来のものではないものが入っている場合もあります。
水溶性キャリアオイルが注目されるようになったのはここ10年ほどですが、この1~2年で一気にかなり多くのメーカーから販売されるようになったと思います。
水溶性キャリアオイルを使用するメリットとしては、
①施術箇所やベッドについたオイル跡などが簡単に拭き取れること
②拭き取り後べたつかない
③洗濯がとにかくラク
④リネン類のオイル臭、酸化臭が少ない
⑤水に溶けるので排水溝の詰まりや水回りの汚れの心配がない
…などがあります。
メリット・デメリットを理解し適切なものを選べるように
2006年頃から、リネン類に残ったキャリアオイルやエッセンシャルオイルが原因の火災事故が起き大々的にメディアで取り沙汰されるようになりました。
特にオイルを拭き取ったタオルや敷きタオルなど、洗濯や乾燥の際くれぐれも放置しないよう、セラピストやエステティシャンの間でも何度も申し送りがされ、緊張が走ったものです。
- オイルをしっかりと落とすこと
- 洗濯後に乾燥機には入れないこと
- やむを得ず入れたとしても決して無人にならない
- コインランドリーなどの乾燥機は使わない
- サロンの乾燥機から取り出しても熱を保持したタオル類を積んでおかない
など、気をつけていれば防げることであっても、やはり少しでも負担を減らせるよう、水溶性キャリアオイルの使用はサロン側にとっても大きなメリットとなるといえます。
ただし、アロマテラピーを専門的に深く学ばれたセラピストの中には、やはり界面活性剤そのものを嫌う方や人為的に加工されているものを使用することに抵抗のある方も多くいらっしゃいます。
また、使用されている界面活性剤が合わないと肌荒れを起こすことも。
天然のものがすべて100%安全とは言えません。ですが、通常のキャリアオイルと同様にやはり最初はパッチテストなどをして肌質に合うかチェックする必要があります。
どちらが良い、悪いではなく、サロンでは施術者自身と、そして何よりもお客様にとって適切なものを選べるようになると良いと思います。
個人で使用する場合も、これらを踏まえた上で選ぶと良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。
エッセンシャルオイルと水溶性エッセンシャルオイルの違い、キャリアオイルと水溶性キャリアオイルの違いが少しご理解いただけたかなと思います。
自分がどのような目的で利用するのか、自分の肌質はどうなのか、ということを改めて考える良いきっかけにもなるのではないでしょうか。
何が良くて何が悪いということではなく、目的に合ったもの、そして「自分が自分に合う」と思ったものを上手に利用し、セルフケアに役立てていただければと思います。
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