アロマの香りを生かして「アロマテラピープラスα」
2019.7.3
アロマトリートメントにちょっと考え方をプラスするだけで、より心地良く、より満足度がアップします。香りの選び方や施術中の呼吸の合わせ方、コミュニケーションの方法、さまざまな想いののせ方など、今日はアロマセラピスト・インストラクターとして施術家の方に必要な「プラスα」の考え方をご紹介します。
普段使っているアロマオイルや精油、植物油など、いわゆる香りを楽しむ「アロマテラピー」ですが、ちょっと考え方をプラスするだけで、より心地良く、より満足度がアップする「プラスα」の部分を今日はご紹介します。
アロマセラピストとして、アロマテラピーインストラクターとしての立場から、主に施術家の方へお伝えできることを書きました。もちろん、施術家ではないお客様が読んでくださるのも嬉しいです。
その日によってアロマの香り方が違う。好みが変わる。それで良い。
アロマテラピーを楽しむ際、同じ精油(香り)を手にとったはずなのに「あれ?いつもと感じ方が違うな」「あれ?今日はなんだか受けつけないな」「いつも苦手なのに、今日はなんだか大丈夫そう」…などなど、同じアロマを手にして香りを嗅いでいるはずなのにこんなふうに感じることはありませんか?
昨日と同じ自分が今日はいないのと同じく、香りの感じ方も毎日同じではありません。もっと言うと、同じ日でも朝と夜とでは感じ方が変わることもあります。
でもそれは決しておかしなことではありません。
ざっくり言うと献立と同じと捉えるとわかりやすいかもしれません。
たとえ大好きなメニューであっても、夜に食べるのは良いけど朝はこのメニューではヘビーだな、なんていうときありませんか?その逆もありますよね。
アロマテラピーでも同じことが言えます。
好きな香りだけど、朝嗅ぎたいな、夜に嗅ぐ方がイイ感じだな…というような、なんとなく●●と感じるというようなその感覚をぜひ大切にしてほしいなと思うのです。
同じ人物であってもその日のうち、あるいは数日のうちに香りの感じ方や好みが変わることは何ら不思議なことではありません。むしろそれを上手に利用してしまいましょう。
あなたが「香りの感じ方が変わるかも」と思うその香りは何の香りでしょうか?
その香りを好きだな、心地よいなと思っている時の自分自身はどんな状態の時が多いのか、ぜひ記録にとってみてください。
反対に、心地よくない・受けつけない、と感じた時も同様に自分自身がどんな状態の時にそう感じるのか書き出してみましょう。自分自身も気がつかなかった傾向や様子がわかるかもしれませんよ。
アロマセラピストがリラクゼーションサロンでカウンセリングを行いお客様に香りを選ぶ際は、このお客様の感覚も大切にしてほしいなと思います。
精油の持つ働きや注意すべきことはセラピスト自身がしっかりと把握・理解しておくことは言うまでもありません。
ですが、お客様の香りの感じ方の変化や様子はセラピスト自身もカルテにしっかりと書き留めておくことで、次に同じお客様にお越しいただいた際に、お客様の好みや香りの感じ方の変化についてお伝えできることがあるかもしれません。
アロマセラピストがするのは、精油の働きをお客様に「伝えるだけ(お教えするだけ)」ではありません。
本やインターネットに書いてあることを伝えるだけではいけません。たった一人の、目の前のお客様だけを見て、私たちはその目の前のお客様に合った香り・精油選びをする、そんなお手伝いをするのが役割です。
だからこそ、お客様をしっかりと見ることが大切なのです。
息がぴったり合うと施術者もお客様も気持ち良い
以前にも表題の内容を書きました(お客様と一体化した施術はお互いに心地よいもの)が、今回はそこにまたほんのちょっぴりプラスして書きます。
アロマトリートメントなどの施術者とお客様の2人の息がぴったり合うと、リラックス度も満足度もアップします。
お客様の呼吸に施術者が合わせるのが良いですが、お客様によっては緊張されて呼吸がはやくなっていたり乱れてしまったりすることもあります。
その場合は、あえて施術者はお客様の呼吸からずらして、施術者のゆったりとした施術にリズムを合わせられるように少しずつ、だけど、不自然にならないように誘導することもあります。
お客様の中には、アロマトリートメント中に寝てしまってはもったいないからと言って頑張って起きていようとされる方が多いです。
そう思っていただけるのはとても嬉しいことではあるのですが、どうか頑張り過ぎず、想いのまま眠ってしまわれた方が良いです。
起きていようと無理をすると、身体が強張ってしまったり返って疲れが取れなかったりして、そちらの方がよほどお金も時間も心地よさも…全てにおいて「もったいない」です。
思い切って、眠ってみてください。アロマトリートメント後、軽さとスッキリ感で目がパチッとします。
人によっては重怠さも感じるかもしれません。その場合は、少し休憩をしてからお帰りになられると良いですね。
アロマテラピーの話を加えるとするならば、施術後の重怠さを軽減するには使う精油を変えてみるのも一つです。
重ための香りをあえて外す、あるいは少なめにして、トップ~ミドルノートの香りの精油を使ってみてください。
トップノートの代表的なアロマには柑橘系の香りがあります。
トップ~ミドルノートはラベンダーやフランキンセンス、スイートマージョラム、ベルガモット、レモングラスなどがあります。
アロマセラピストが、施術そのものと使う香りをお客様に合わせて上手に活用・変化させることで、いつものトリートメントのリラックス度や満足度が、1段も2段もアップします。
アロマセラピストに必要なコミュニケーション:受容と共感と前進
お客様がマイナスの考えや発言をされた場合。決してそれは悪いことではありません。
アロマセラピストはお客様のありのままを受け容れ(受容)、共感します。
いったん受け止めてから、同じ出来事であってもプラスの言葉で返して差し上げると違う見方をお伝えできますね。
受容と共感だけで良いという考えもありますが、私たちは常に目の前でリアルなコミュニケーションを行います。受容と共感のみで成り立つときと、そうではないときもあります。
お客様との信頼関係やお会いしている頻度なども関係してきますが、寄り添いながらも少しだけプラスの言葉にこちらで変換して返す、いわゆる言葉のキャッチボールをすると、自分のサロンからお客様が一歩出た時に、そのお客様は前進することができるかもしれません。
気の利いたこと、でなくても良いのです。私たちアロマセラピストやインストラクターの心からの、想いや心を言葉や、話し方、身振り手振り、手の温もり…などから伝えましょう。
想いを一つひとつにのせる
私たちが使用する精油や植物油に、あなたは想いをのせているでしょうか?
それを栽培する人、収穫する人、運ぶ人、売る人…私たちの手元に精油や植物油がやってくるまでには、たくさんの人たちが関わっています。そしてその一つひとつに想いが、手が、あるのです。
私は、アロマトリートメントではそういった想いも必ずのせます。
タオルワーク一つにしても、お客様にパサッとかけてしまうのではなく、空気を纏うようにしてふんわりと、お客様を恋人のように想いながら大切に行います。
先述の、「息を合わせた施術」も同じです。想いをのせ、大切にお客様を想えばこそ、その周りの空気・空間さえも全部取り込んで、一体化させます。
するとそこだけは本当に異空間となり心地良くなります。
お客様ご自身が行うセルフケアも同様です。
自分自身のために選んだ精油や植物油。それを自分自身のためにブレンドして、自分自身の心と身体をケアする。それはとても尊く素敵なことです。
セルフケアは「自分を大切にする時間」とよくお伝えしていますが、自分を大切にするというその時間や行為が、私たちの手元にやってくる精油や植物油、タオルさえも、ここまでに至る人たちの想いを大切にするということに繋がるのです。
いかがでしたでしょうか。
ぜひ、ありのままの自分自身を受け容れ、自分を大切にするアロマテラピーを実践してください。
そうすることで今までよりもプラスα、リラックス度も満足度も、もしかするとそれ以外の心の豊かさもアップするかもしれません。