冬から春へと移行する3月と4月。
昔から「木の芽時」(コノメドキ)と呼ばれ心身が不安定になる季節です。
寒暖の差が激しく、身体にとってのストレスが大きいばかりでなく、進級や進学、就職や職場の移転、転居など就労環境や生活環境が変わり、精神的にも多くの負担がかかる季節でもあります。
何となくだるい、眠れない、食欲がない、肩や首のコリがいつもよりひどい、目がかすむなどの症状が出たら、心と体の声に耳を傾けてみてください。
大事に至る前に、リラックスやリフレッシュなどを心がけ、早めの対応が大切です。
香りで不調を知る。木の芽時の不調は自分では気づきづらい
アロマで使う精油には、心への働きと体への働きがあります。自分では気づきにくい不調は、香りで知ることもできます。
鎮静作用のあるラベンダーの香りがいつもより心地よいと感じる時は、疲れている時。
しっかりと体と心を休ませましょう。好きな趣味を楽しんだり、くつろげる空間で時間を過ごしたりしてみるのも良いのではないでしょうか。
活性作用のあるローズマリーの香りがいつもより心地よいと感じる時は、気力が落ちている時や血圧が下がっている時。
新たな目標や楽しみを見つけたり、軽い運動などで体を動かしたりしてみるのも良いでしょう。
バランス調整作用のあるゼラニウムの香りがいつもより心地よいと感じる時は、ホルモンバランスや心のバランスが乱れている時。
生活の中に「気持ちいい」という感覚を取り入れてみましょう。
好きな景色や映像などを見て「美しいなぁ~」と感じたり、美味しい物を食べた時に「美味しい~」と感じたり、好きなアロマや香りのよいハーブティーなどを飲む時に「良い香り~」と感じることで、自律神経系の働きを整えバランスをとることができます。
木の芽時には旬の春野菜を摂る
冬の間、人体は体温や栄養素を保存する方向に向かいます。太古の昔は、冬には食べる物が無かったので、生き延びるために「ため込む仕組み」を作ったのでしょう。
現代は食べる物が豊富になり、冬でもたくさんの栄養素を取り込むことが出来るようになりました。そのため、余分なものもため込まれる結果となり、違った形で不調の原因ともなっています。
それが木の芽時の不調につながっているのかもしれませんね。
冬の間にため込んだ余分なものを外に向かって放出するのが春の健康法の一つと言えるのではないでしょうか。
春野菜の苦味成分には、そういったデトックス作用が含まれています。
子供の頃には嫌いだった苦い野菜が、いつの間にか好きになっていることがありますよね。
子供は代謝機能が発達しているので、余分なものの排泄を上手く行っているのですが、大人になると代謝機能が衰えて、不必要なものまでため込んでしまいます。苦味成分が排泄を手伝ってくれているのです。
筍や蕗の薹などの木の芽野菜が美味しく感じるのはそのためです。
苦味野菜の成分には人体に害になるものも含まれていますので、食べる量は程々にすることが大切。
体にいいから、デトックスになるからといって摂り過ぎは禁物です。
自然と呼応しながら生きている私たちにとって、植物の恵は欠かせないものです。
生活の中に上手に取り入れて、より良く生きる知恵を身につけたいものです。