年末だから心も大掃除
2018.12.3
年末といえば大掃除。家を清めるとともに煩悩も払われるような気がします。ところで皆さんは年末につかれる除夜の鐘の「108つの煩悩」の意味を知っていますか?今回は知ってそうで知らなかった「煩悩って何?108つの煩悩とは?」という疑問について調べてみました。
今年も最後の月となりました。
12月の声を聞くと、お歳暮、年賀状の準備、クリスマス、忘年会、大掃除など、やることがいっぱいで気忙しくなりますよね。
主婦にとっては、気持ちよく新年を迎えるための年末の大掃除とお正月の準備は大変な仕事です。
心を亡くすという意味の字が「忙」。あまり忙しくしていると心を亡くしてしまうという事なのでしょう。
年末から年始にかけてお寺で撞かれる除夜の鐘は、108つの煩悩を除くと言われています。
お家の大掃除をすませたら、静かに除夜の鐘の音を聴きながら心の大掃除もしたいものです。
ところで、「108つの煩悩って何?」という疑問が出てきたので調べてみました。
深く調べていくと、とても難しかったので、それは専門家にお任せするとして、わかりやすい説明をここに取り上げてみたいと思います。
年末の除夜の鐘で払われる「煩悩」って何?
煩悩を簡単に説明すると、人間の苦の原因となるもの、心身を悩ませ、苦しませ、惑わせ、汚す心の作用、悟りの境地を妨げる一切の精神作用の事だそうです。
この煩悩は「無明」と「三毒」から発生します。
「無明」とは、智慧が無く分別が無いために何もわからなくなっている状態のことです。
「三毒」とは、
- 貪(とん) =むさぼり求める心
- 瞋(しん)=憤る心
- 痴(ち)=愚かな心
の三つです。
これが仏教における根本的な考え方のようです。
一般的に煩悩は108つあるとされていおり、年末の除夜の鐘の回数もここから来ています。しかし、宗派によっては3つとするところや8400とするところなどさまざまあるそうです。
108つの煩悩とは?心も大掃除を
さて、「無明」と「三毒」から発生した煩悩108つ問題です。
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感に心を足したものを「六根」と言い、眼(げん)・耳(に)・鼻(び)・舌(ぜつ)・身(しん)・意(い)と呼びます。
この六根からの情報である映像、音声、匂い、味、触覚、心を「六塵」と言い、色(しき)・声(しょう)・香(こう)・味(み)・触(そく)・法(ほう)と呼びます。
この六塵は感情により3つの段階、「良い」「悪い」「どちらでもない」に分けられます。
さらに、分けられた感情が「汚い感情」と「清らかな感情」に分けられます。
さらにさらに、それらが「現在」と「過去」と「未来」に分けられます。
なので、6×3×2×3=108になるというわけです。
何だか難しいですよね。例えば心地よい音楽を聴いて良い感情がわき清らかな気持ちである現在も煩悩なのだということになりますね。
「無明」と「三毒」から発生したものというのが大前提にあるので、そこから発生したものでなければ良いということなのでしょう。
ということで煩悩108つの謎が解けました。
私たちアロマセラピストは六根の鼻(び)から出た六塵の香(こう)を使って生業としていますが、「無明」と「三毒」にさえ陥らないようにすれば、煩悩に惑わされることは無いのだろうと理解しました。
「無明」と「三毒」を払うことが、全ての人々にとって大切だということですね。
仏教からの学びで、今年を締めくくらせていただきます。皆さんも年末の心の大掃除、ぜひ行ってみてくださいね。
今年も1年間ご訪問くださり、読んでいただき有難うございました。
良いお年をお迎えください。