靭帯が伸びる?
2015.5.11
こんにちは。アスレティックトレーナーの新井です。今回は靭帯と捻挫のお話についてです。よく「靭帯を伸ばしちゃって・・・」とか、「骨折ではなくて捻挫だから大したことないよ。」などと耳にすることがあります。
こんにちは。アスレティックトレーナーの新井です。
今回は靭帯と捻挫のお話についてです。
よく「靭帯を伸ばしちゃって・・・」とか、「骨折ではなくて捻挫だから大したことないよ。」などと耳にすることがあります。
1. 靭帯損傷?捻挫??
そもそも“靭帯”とは何なのか??
靭帯とは・・・
関節の内外で骨と骨を結合し、関節の安定性保持、関節の動きの制限あるいは誘導の働きをするもの。
そして、主成分はコラーゲン線維ではあり弾性は若干あるものの、筋肉や骨と筋肉を繋ぐ腱などとは違い、ほとんど伸び縮みしない組織なのです!
そして、もう1つのキーワードの“捻挫”ですが、簡単に言うと、捻挫≒靭帯損傷なのです。
捻挫も軽度~重度までさまざまです。酷いものだと半年くらいかかるものもあります。(骨折だと部位にもよりますが、約1ヶ月くらいで骨癒合します)
・重症度分類(治癒期間)
軽度:靭帯の微細損傷(約1~2週)
中等度:靭帯の部分断裂(約3~6週)
重度:靭帯の完全断裂(約6~12週)
※膝の前十字靭帯断裂だと手術してリハビリして、競技復帰までに6ヶ月~1年くらいかかります。
靭帯は何本もの線維でできているので何本切れたか(損傷したか)によって重症度が変わります。
例えば靭帯の線維が10本あるとします。これが8本損傷したしたら、ゴムが劣化したように見た目は伸びたように見えるので、結果このような表現が使われているのかと思います。
なので、正しい表現は「捻挫したので○○靭帯を損傷(断裂)した」となります。
2. 捻挫がクセになって…
また、残念ながら、1度損傷すると靭帯の強度は100%には戻らないのです!例えば、損傷して80%の強度になった靭帯の周りの関節は不安定になります。
ですので、痛みが消えたからと言ってリハビリをしないまま競技復帰してしまうと再発のリスクは高まります。そして、再発してしまうとまた70%、60%とますます関節が不安定になってしまうのです。
俗にいう「クセになる」というのは、こういったリハビリ不足で起こることがほとんどだったのです。
競技を行うアスリートだけでなく、普段の生活を行う上でも怪我の予防は重要なこと。
患者さんやお客様がそういった悪循環にならないように専門知識を持ち、しっかりとしたリハビリをフォローしていきましょう!