湿布って効果はあるの?
2016.1.12
こんにちは。アスレティックトレーナーの新井です。今回は「湿布」の効果や使い方に関する間違った認識について指摘したいと思います。実は湿布には冷やす効果も温める効果も期待できないということはご存知でしょうか?湿布を効果的に使用するために効果や効能、そして副作用について正しい知識を身につけましょう。
こんにちは。アスレティックトレーナーの新井です。
昨年12月の発表で、2016年4月の診療報酬改定に伴い、医療機関での「湿布の処方枚数を制限する」という提案がありました。1回に70枚までと検討されています。
これによって年間数十億円の医療費削減に繋がるとみられています。
この“湿布”とは、もちろん私自身使ったことがありますし、日本人なら誰もが使ったことがあるものだと思います。
しかし欧米ではほとんど使われないそうです。
文化的な違いもありますし、保険が効かない国も多いのが原因かと思われます。
今回はそんな湿布の効果・効能、そして副作用などについて見ていきます。
正しい知識を身につけ、湿布を安全かつ効果的に使用しましょう。
1.湿布の効果・効能
ところで、湿布とはどういう効果・効能があるのか?
患者さんや選手で(教育されてない場合)、捻挫や打撲等で「冷やした?」と聞くと、「はい。湿布貼って冷やしました!」と言われる場合がたまにあります。
逆に、「この時期からは温めて」と言うと、「温湿布貼っておけば良いですね!」と・・・
結論からいうと、「冷やす効果」も「温める効果」もどちらも期待できません!
冷えているように感じるのは、メンソール配合により「スース―」し、温かく感じるのは、唐辛子エキスなどによりそう感じているのです。
1番の効果・効能は、消炎鎮痛薬なので「炎症を和らげる効果」と「痛みを鎮める効果」です。
でも個人的にはどちらの効果もアイシングには敵わないと思っています。
また、筋肉の硬さやコリに対しても上記を理由にほとんど効果はないと思います。
2.湿布の副作用について
そしてこの湿布は、安易にペタペタ貼っていたり、全身に何枚も貼っていたりというケースもよく見受けられます。
しかし湿布“薬”でれっきとした薬なので、効果・効能だけでなくもちろん副作用もあります。
知り合いのチームで「○ーラ○テープ」を貼ったまま、屋外で練習をしていたら、酷い水ぶくれになってしまったというケースがありました。
他にも発疹やかゆみなどが発生したという報告もあります。
「ケトプロフェン」という鎮痛成分には「光線過敏症」という副作用があるようです。
他の副作用もあります。
使用量、状況等が定かではないので、100%湿布が原因とは言い切れませんが、妊婦さんに腰痛で貼布したら流産したとか、胎児に悪影響を及ぼしたとか、他にも喘息やアレルギー反応を引き起こしたとかという報告もされています。
私自身も湿布は悪ではないと思いますし、しっかり効果を理解した上で適材適所でアイシングと併用したりすれば、効果も期待できると思いますので、今回の湿布の処方枚数の制限策が医療費削減の面だけではなく、適切な使用に基づく効果や副作用への喚起を呼ぶことに期待したいと思います。
※文中に出てきたキーワードの“アイシング”や“炎症”などについては、また次回以降に書きたいと思っております。
参照:1.HEALTH PRESS、2.朝日新聞デジタル