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旬の筍と竹のお話

2018.5.2

5月5日は「端午の節句」です。この日は柏餅や粽(ちまき)を食べることで有名ですが、食材としては、鰹や筍(たけのこ)がよく用いられるそうです。日本の年中行事とかかわりが深い食材などをご紹介しているこのシリーズ。今回は「筍」と「竹」の健康効果を考えてみようと思います。

5月の行事と言えば「端午の節句」=「こどもの日」ですよね。鯉のぼりや兜を飾って男の子の健康な成長を願う日です。

三月の雛祭には「ちらし寿司」や「蛤の潮汁」など定番の料理がありますが、端午の節句では柏餅や粽などのお菓子がクローズアップされていて、定番料理はあまり思いつかないのではないでしょうか。

一般的には旬の食材である「鰹」や「筍(たけのこ)」を使うことが多いようです。

鰹は「勝男」と語呂合わせで、筍はグングン真っ直ぐに伸びるところからだそうです。

今回は「筍」と「竹」の健康効果を考えてみようと思います。

私たちはが普段目にする筍は「孟宗竹(もうそうちく)」。ちょっとズングリしていて皮の外側に毛が生えているような感じのものです。

孟宗竹は江戸時代中期に中国から伝わったと言われていて、中国や日本など主にアジア地域で食されています。

土から出て日光に当たるとエグミが出てくるので、なるべく早く下処理をすることが大切です。

購入する時には、全体にツヤがあるもの、穂先の色が淡いもの、根本のブツブツが赤くなっていないものを選ぶと新鮮だそうです。

孟宗竹の他にも竹には淡竹(はちく)、細竹(ほそたけ)、姫竹(ひめたけ)、真竹(まだけ)などたくさんの種類があります。どの筍も美味しいそうです。食べ比べてみたいですね。

「筍」の字は「一瞬(旬)にして竹になる」という意味があるそうですよ。

筍の健康効果

筍には食物繊維が豊富に含まれています。便秘の改善など腸のお掃除をしてくれます。

また、疲労回復に役立つ「アスパラギン酸」、消化吸収を促進して内臓脂肪や皮下脂肪をつきにくくする「グルタミン酸」、脳を活性化する「チロシン」などが含まれています。味覚を正常に保つ「亜鉛」が多いのも特徴です。

昔から「食べ過ぎるとお腹をこわす。」と言われていたのは食物繊維が多いからかもしれませんね。

筍だけじゃない!竹の葉の効果

竹にまつわる食材といえば筍ですが、漢方薬では淡竹の葉を「竹葉(ちくよう)」と呼んで使用しています。

情緒を安定させる作用があるため不眠の解消に役立つとされ、薬膳酒として喘息の改善にも使用されています。

また、竹の葉に含まれる葉緑素には老廃物を吸着する作用があるので、血液サラサラ効果も期待できるとのことです。

竹細工職人には癌の人はいない!と言われているそうですよ。

殺菌効果も強いことから、おにぎりやお団子を巻いたりしていますよね。

竹林の名所

日本にはたくさんの美しい竹林があります。

京都の嵯峨野は有名ですよね。神奈川県には報国寺、静岡県には修善寺に見事な竹林があります。東京でも東久留米に竹林公園があるそうです。ぜひ行ってみたいです。

森の奥深くではなく、人の暮らしのすぐそばに竹林があるのも、これまで私たちの暮らしの様々な場面で竹や竹の葉が役立っていたことの現れです。

竹林の中の何とも言えない空気の清涼感、葉が風にそよぐ音、目にも鮮やかな緑、どれもが五感を刺激して安らぎをもたらしてくれます。

日々の生活でストレスを感じた時には、竹林の中で静かに深呼吸してみると良いかもしれません。先人たちの知恵を授かるかもしれませんよ。

おまけの「竹取物語」。かぐや姫は筍のように成長した!?

かぐや姫が主人公の「竹取物語」は、9世紀の終わりから10世紀の初め頃に成立した物語とされています。ですから、ここで登場する竹は孟宗竹では無く真竹だったと予想されます。

当時から日本では、竹を細工して身の回りの様々なものを作っていたようです。

神様に捧げる穀物などを入れる器も竹で作られていたので、竹は神聖なものということから「かぐや姫」の誕生の場になったのかもしれません。

竹取物語に登場するかぐや姫の養父「竹取りの翁(讃岐の造)」も、竹細工をする職人でした。「造(みやつこ)」は古代5世紀ころの姓で、朝廷に仕える人に与えられたそうなので、この翁は身分の高い人だったことになります。月の世界のお姫様を育てるのですから、やはり聖職者的な人にということだったのでしょう。

かぐや姫は3か月で立派な大人の女性に成長します。成長の早さは筍みたいですね。

あまりの美しさに、たくさんの人から求婚をされますが、月に帰ることがわかっていたので、難題を持ちかけて断り続け、物語は進んでいきます。

美しい竹林の中から始まり、世界各地に物語は広がっていきます。

「もと光る竹」から生まれたかぐや姫。この根本が光る竹は、おそらくヒカリゴケが付着した竹だったのではないかと言われています。

竹林の中で根本が光る竹を見つけた作者が思いついた壮大は物語。いったい誰が…と思ってしまいます。


竹取物語の時代から私たちの暮らしに密着していた竹。

その竹や竹の葉を見直して暮らしの中に取り入れることで、安らぎの時間や空間を演出してみてはいかがでしょう。

もちろん旬の食材である筍もおいしくいただいてくださいね。

きっと心身の健康に役立つと思います。

この記事を書いたコンシェルジュ

佐佐木景子/アロマプロデューサー

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