食べたもので体は出来ています。当たり前のこととして皆さんがよく知っていることですよね。
近年の生理学研究から、ホルモンや神経伝達物質も栄養素の影響を受けることがわかってきているので、心も食べたものから出来ていると言っても良いのかもしれません。
このような考え方は東洋医学では当然のものと考えられています。
「医食同源」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
今日は医食同源とは何かというお話をしていきたいと思います。また、この時期にピッタリの食材「梅」の効果やおすすめメニューについてもご紹介します。
医食同源とは?
「医食同源」という言葉は、中国で古くから言われている言葉なのかと思っていたのですが、実は1970年代の日本で生まれた言葉なのだそうです。
北里研究所東洋医学総合研究所所長の花輪先生によると、戦後の栄養第一主義への反省から、中国で古くから行われている養生の考え方を取り入れた食事療法として「薬食同源」「医食同源」という言葉が作られたそうです。
それでは古代中国の食事療法とはどんなものだったのでしょう?
古代中国では医師を4つのランクに分けていて、一番偉いのが「食医」皇帝に食事を供する人、次が「疾医」今の内科医、その次が「傷医」今の外科医、最後が「獣医」となっていたそうです。食べる物の大切さを知っていたということですね。
食の安全が叫ばれて久しくなりますが、本当に安心安全な食材はなかなか手に入れることが難しくなっています。
できるだけ栽培や生産の過程が見えるものをと思うのですが、難しいですね。せめて旬の食材を上手く利用して家族には食事を作りたいと思っています。
夏の「医食同源」にピッタリ!梅の健康効果とは?
この時期の医食同源に最適な食材と言えば、真っ先に「梅」があげられます。
梅の実は、6月頃に収穫され店頭に並びます。青梅は梅酒や梅シロップにして、黄色くなってから収穫した梅は梅干しにして、長い期間私たちを楽しませてくれます。
そんな梅の健康効果とは、いったいどんなものがあるのでしょうか?
梅の健康効果はたくさんあります。
梅に含まれるクエン酸は疲労物質である乳酸を分解する働きがあるので、夏バテの防止に役立ちます。また代謝も促進するので、ダイエットや老化防止にも役立つと言われています。
美肌効果、虫歯予防などなどその効果の範囲はとても広いです。
けれども、青梅には有害な成分が含まれているので、生のまま食べることはできません。
青梅に含まれるアミグダリンは体内に入ると青酸という毒になりますので、お子さんの手の届くところに放置しないようにしてくださいね。きっと苦くてすぐに吐き出すとは思いますが、念のため。
そんな青梅がお酒やお砂糖に漬けたり、干したりすると健康効果がいっぱいになるのは何だか不思議ですね。
気軽に「医食同源」!梅シロップのデザート
梅を使った医食同源を気軽に楽しみたい方は、梅シロップを手作りしてみてはいかがでしょうか?作り方はとっても簡単!
綺麗に洗った保存容器に青梅と同量の氷砂糖を入れて置いておくだけ。2週間ほどで梅シロップは出来上がります。1か月くらい漬けておくとより美味しくなります。
梅酒とは異なり、アルコールは含まれませんのでお子さんでも楽しめますね。
お水で割って梅ジュースに、炭酸で割って梅ソーダにして飲みます。夏の疲れた体にしみとおるようです。
暑い日にはかき氷のシロップとしても使えますし、そのまま時々かき混ぜながら凍らせると梅シャーベットが出来ます。
取り出した梅の実とシロップを煮詰めれば梅ジャムの完成です。
梅干しで食欲増進
梅と昆布は良く合うので、わが家では梅干しの種を取り除いて、実の部分を細切りの塩昆布と混ぜて使います。おにぎりの具にしたり、浅漬けのキュウリに付けたり、茹でた豚肉や鶏ささみの薬味にしていただきます。
酸味のある梅は唾液の分泌を促進します。唾液は消化促進にもなるので、暑くて食欲の無いときにはピッタリの食べ物です。
「医食同源」という言葉に表れているように、旬の野菜や果物に人はいつも助けられているのですね。
自然の営みに感謝です。