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赤みのあるニキビのように見えるけど…これって何?

2015.7.27

毎年、蒸し暑い季節が近づくと現れる吹き出物。一見ニキビのようですが、なんかちょっと違う…。実はこれ、アクネ菌由来のニキビではなく、マラセチア菌という別の菌によって引き起こされる「マラセチア毛包炎」の可能性があります。その場合、医療機関で治療できます。おかしいなと思ったら、自己判断はせずに病院に行ってみましょう。

水滴

私のサロンでは、この2年ほど、毎年5月くらいになるとこうしたニキビのような肌の悩みを訴えるお客様が増えてきます。

初めはわからなかったのですが、人数が増えるたびに共通の症状があることに気がつきました。

首、胸、背中、肩、二の腕… ニキビのケアをしても…

ブツブツが発症しているところは、ニキビが出やすい顔には少なく、主に首や胸、背中、肩、二の腕といった顔以外の場所に多くできること。

そしてニキビのケアをしても効果が出ず、良くなってきたかな?と思っても急にまた増えてくる。

―――――そして思い当たったのは常在菌。

ニキビの原因は一般的に皮膚の常在菌であるアクネ菌とされていますが、実はすべてのニキビがアクネ菌によって発生するわけではありません。

先ほどのような症状で、身体にできるニキビについては、もう一つ、マラセチア菌という別の菌によって引き起こされていることがあるのです。

ニキビのような炎症を引き起こす「マラセチア」って聞いたことありますか?

マラセチアによるニキビのような炎症は顔の近い部分、例えば耳の後ろや首の周りにも現れることもあることで、やはり普通のアクネニキビに間違われることが多いのは確かです。もちろん見た目でわかりにくいものもあります。

ただ、アクネ菌のニキビと比較すると、あまり痒みや痛みを伴わないというのも特徴で、一度にできる数が多く、時には10個以上現れることがあります。

これはマラセチア毛包炎というもので、厳密には顔のニキビとは区別されるものです。

このマラセチアとは何かというと、実は酵母菌(カビ)の1種で、こちらも皮膚の常在菌の一つとなります。

正常な皮膚ではマラセチア菌がいてもあまり影響がないのですが、時に脂漏性皮膚炎やフケの原因になったり、アトピー性皮膚炎の増悪因子であることも報告されています。

ニキビと同様に、汗っかきやオイリー肌で皮脂分泌が多い方は要注意

水滴

 

どうして炎症を起こしてしまうのかというと、マラセチア菌はアクネ菌と同じように皮脂をエサにして、それを脂肪酸とグリセリンに分解するのですが、その脂肪酸が酸化されると今度は過酸化脂質に変化し、炎症へと発展させてしまいます。

温かくなり、湿度が高くなる季節になると発症しやすくなるので、汗っかきやオイリー肌で皮脂分泌が多い方は要注意ですね。

実は私も汗をかきやすいのでマラセチア毛包炎になりやすいタイプ。衛生面にも気をつけて、汗をかいたら炎症を起こしやすい部分を濡らしたタオルでこまめにふいたりしています。

マラセチア毛包炎は意外にしつこくて自然治癒しにくいものの、医療機関で治療を行えば簡単にあっさりと治りやすいという点があるようです。

だけど季節によって繰り返し発症しますから厄介。「もしかしたら。。。」と心当たりがある方は、悪化しないように、まず清潔を心掛けておく必要がありそうです。

この記事を書いたコンシェルジュ

小松和子/ナチュラルコスメプロデューサー