紫外線から肌を守る!人の皮膚機能の秘密とは
2016.4.21
紫外線の影響を受けやすい人・受けにくい人の違いは肌の状態にアリ!日差しの強い季節。紫外線から肌を守るのは日焼け止めや紫外線対策グッズばかりではありません。実は、肌そのものの防御機能が重要なんです。今回は、肌と日焼けのメカニズムについてお話したいと思います。正しい知識を知って、紫外線のダメージを最小限に抑えましょう!
心地よい季節。
ぽかぽかと暖かい日差しは、心を穏やかにし、のびのびとした気持ちにしてくれますね。
紫外線が気になる季節に突入しますが、日光は私たちの体にとても重要な働きをしていて、ビタミンDを合成することで、カルシウムを骨や歯に取り込む手助けをしているのです。
これは当然みなさんすでにご存知ですよね。
ただ、シミやしわを防ぎたいあまりに1年中日焼け止めを使い、紫外線を過剰に防ぐ傾向があることで骨の健康面に対する懸念もあがっています。
特に日本や中国など一部のアジア圏では、日焼けを防ぐということにおいては他国に比べ、少々過剰ともいえる製品も売られています。
例えば日焼け止めの塗り直しをお知らせしてくれる機器やアームバンド、かなりなツバ広の帽子、万能なUVパーカー、などなど。
街を歩いていると時折こうしたグッズでものすごい重装備を作って自転車に乗っている人を見かけます。
しかしここまでのやりすぎは近寄りがたい印象ですよね。
これがもっとエスカレートするとニュースで見かける他国での日焼け止め顔面マスクといったところまで行きつくのでしょうかね。
紫外線の影響でシミ・しわになりやすい時とは?肌の状態が肝心
紫外線にあたることでシミやしわが増えてしまうのには、肌の状態がベストでないことにも大きく影響してきます。
例えば、肌荒れやニキビ、湿疹などの炎症がある場合、紫外線にあたれば色素沈着性のシミになります。
自分の肌が弱っていればそれだけダメージが大きくなるということですね。
誰もが同じだけ紫外線ダメージがあるかといえば、このような肌荒れによる影響は健康肌になることで軽減できることもあります。
ただ、年齢、環境、人種などのさまざまな違いでもダメージは変わります。
人によって違う!?紫外線による肌ダメージ
例えば日焼けをすると、人によって真っ赤にはれ上がってしまう人と、すぐに肌が黒くなってしまう人がいますよね。
それはどうしてなのでしょうか?
それは皮膚が産生するメラニンの量と質が天然の保護レベルを決定するため、個人差が出るからなのです。
この「メラニン」というものは、シミの原因にもなることから嫌われ者ではありますが、実は私たちの体を守る大切な防御機能を果たしています。
紫外線にあたるとメラノサイト(メラニン細胞)は暗色で粘り気のある蜜蝋のような物質のメラニン色素を産出し、周りのケラチノサイト(細胞核)の上に物理的に覆いかぶさって、大切なDNAを守ってくれます。
私たちの見える範囲で起こっているのは、皮膚が「黒くなる」という現象ですが、DNAを守る大切な役割をし、紫外線を吸収、反射をするとともに、とても効率的なフリーラジカル消去剤になっているわけなのですね。
メラニン色素というのはユウメラニンという、厚みのある黒っぽい粘性の高い性質のものと、フェオメラニンという黄色っぽい色や赤茶色のものがあり、このブレンドの量の違いで肌の色が変わってきます。
ユウメラニンが多い黒い肌色の人種は、紫外線に対して非常に強い肌をしています。
アジア人やさらに白い肌の白人はフェオメラニンが多く、黒い肌よりも紫外線の表皮の保護力が劣るため、ダメージを受けやすくなるということなんですね。
これは人間の皮膚が日焼けに対するもともと持っている自己防御のSPFと言えるでしょう。
だから色の白い人は自己防御力が弱いわけで日焼け止めもしっかり塗らないとダメージを受けやすくなるということなのです。
また、職業によって日常の紫外線を浴びる量も変わってきます。
紫外線を浴びる量が多い職業は…?乾燥肌の人は要注意!!
例えばタクシーやトラックの運転手は、よく日にあたる窓側の肌のほうがしわの刻みが深くなり、たるみが目立ちやすくなります。
こうして毎日繰り返し日にあたると当然、「光老化」となり、おそらく腕も左右の皮膚のしわやシミ、たるみに大きく差が出てくるでしょう。これが日本ではなく、1年中紫外線量の高い国や地域ならなおさらですね。
そして驚きは、紫外線に対する自己防御力が強いのは脂性肌の人にも見られるそう。それは皮脂そのものがUVBを遮断する力を持つという理由からです。
確かに、肌色が黒く脂性肌の人はシミやしわが少なく、白く乾燥肌の人はシミやしわが目立ちやすいという傾向にあるようです。
さて、あなたの肌色は紫外線にどのくらい耐えられそうですか?