ヘアケアの正しい順番は?各ヘアケア用品の順番や注意点を美容師が解説!
2024.7.26
ご家庭でのヘアケアの正しい方法や順番をご存知ですか?なんとなく自己流で行っている方が多いかもしれませんね。
この記事では、正しいご家庭でのヘアケア方法をご紹介します。
毎日の生活の中で、ヘアケアを行うシーンがあると思います。その際には正しいヘアケアの仕方と順番があります。この正しいヘアケアの仕方と順番を毎日のルーティンに取り入れて、健やかな頭皮と髪を保ちましょう!
ヘアケアは大事?
正しいヘアケアが行われていないと、どんなに良いシャンプーやトリートメントを使用しても、思ったような効果が得られないことがあります。
製品の品質ももちろん大切ですが、まずはヘアケアの方法や順番が重要です。
これらを見直すことで、製品の効果が最大限に発揮されます。
ご家庭でのヘアケアとなると軽視されがちですが、毎日の積み重ねとなるので、実は非常に重要な要素なのです。
お風呂で行うヘアケアの順番
基本的には、毎日行うお風呂でのヘアケア。
正しい順番でヘアケアはできていますか?
普段は何気なく行っているかもしれませんが、ここでは正しいヘアケアを順を追って解説していきます。
1.コーミング&ブラッシング
予洗い前にコーミングとブラッシングを行います。
まずは、髪に対してくしで髪をとかして髪の絡まりをとるコーミングをしてください。特に、髪の長い方やヘアカラーやパーマでダメージのある方はこのコーミングは必須です。
目が荒い大きいコームで優しくとかしてあげてください。髪のほつれを取り、付着したホコリやスタイリング剤を浮かせる効果があります。
次に、頭皮からシャンプーブラシやクッションブラシでとかしてください。この時も、無理やり髪をザカザカとするのではなく、優しくとかしてあげて下さい。
頭皮の皮脂汚れを浮かせる効果がありますし、シャンプー時の摩擦を軽減する効果もあります。
2.予洗い
シャンプー前の予洗いを行います。
ショートの方は約3分、ロングの方は約5分間の時間をかけて行ってください。時間を短縮したい場合は、シャンプーブラシを使用することをおすすめします。
しっかりとした予洗いにより、シャンプー剤の量が少なくてもよい泡立ちが得られます。
3.シャンプー
ご自身の頭皮や髪の状態に合った適切なシャンプー剤を、手でしっかり泡立てて洗いましょう。
適切な使用量は、以下になります。
- ショートの方は100円玉程度
- ロングの方は500円程度の量
泡立て方としては、まずはしっかり手で泡立てあと、側頭部や後頭部でさらに泡立てます。その後、頭部全体に行きわたらせましょう。
泡立てるのが苦手な方は、泡立てフォーマーにシャンプーを入れ替えてから使用するのもベターです。
洗い方は、指の腹を使い、ゴシゴシ洗いではなく揉み込むように洗うことが大切です。ついつい力を入れすぎてしまう方や、早く洗髪を終わらせたい方は、シャンプーブラシの使用もおすすめです。
最後のお流しも予洗いと同じように、3~5分間かけてしっかりと流してください。
ここでも、シャンプーブラシを使うことで泡切れが良くなる効果もあり、2分程度の時間でお流しが完結できますよ。
4.トリートメントやヘアマスク
パーマやカラーによる化学的なダメージや、アイロンや紫外線による物理的なダメージを受けた髪には、トリートメントやヘアマスクの使用をおすすめします。
これらを使うことで、傷んでしまった髪のキューティクル層(髪の表面)の損失した油分を補ってくれます。
使い方としては、シャンプーのあとにしっかり毛先に塗布します。これらはカチオン性(プラスに帯電する)の性質を持つため、頭皮にはできるだけ付けずに毛先中心に揉み込むように使いましょう。
また、目の粗い大きいコームでトリートメントやヘアマスクを均一に広げるのも効果的です。
最後に、トリートメントやヘアマスクも、予洗いやシャンプーの際と同様にしっかりと洗い流してください。
これらが髪に残ったままになると、髪が乾きにくくなったり、ベタつきやニオイ、かゆみ、炎症の原因となる可能性があります。
5.コンディショナー
洗髪の最後に、髪の毛に塗布するのがコンディショナーです。
突然ですが、リンス、コンディショナー、トリートメントの違いはご存知ですか?
リンスは帯電を防ぐ、髪表面の滑り感を出す、pHをコントロールする役割を持ちます。
コンディショナーはリンスの機能に加えて、髪表面のダメージケアも行います。
トリートメントやヘアマスクはコンディショナーの役割に加えて、髪の内部のダメージケアも行います。
したがって、トリートメントやヘアマスクをされている方は、コンディショナーをする必要はありません。
それほど髪がダメージを受けておらず、洗い上がりの質感を重視したい方には、コンディショナーがおすすめですよ。
お風呂上りのヘアケアの順番
お風呂でのヘアケアはしっかり確認できましたか?
続いては、お風呂上がりのヘアケアを確認していきましょう!
お風呂でのヘアケアがちゃんとできていても、お風呂上がりのケアを怠ると台無しになってしまいます。
お風呂上がりにいち早くゆっくりしたいお気持ちはわかりますが、あと一手間だけかけることで、髪の毛の潤いが見違えてきますよ。
1.タオルドライをする
濡れた髪は非常にデリケートな状態なので、強くこすってしまわないように、優しくタオルドライしてください。
できるだけ高吸水性のタオルを使用して、髪の水分を取るイメージで行ってください。
洗髪後にタオルドライを行う理由は、湿っている髪は熱に敏感だからです。
なるべく髪の水分をタオルに吸収させておくことで、後のドライヤー使用時の熱によるダメージを軽減できます。
2.ヘアオイルなどをつける
髪が痛んでいる方は、タオルドライ後にヘアオイルやアウトバストリートメントを使いましょう。
これらはお風呂上りに使うアウトバスタイプと言われるヘアケア商品で、髪の修復効果やドライヤーの熱からの保護を助ける効果があります。
アウトバスタイプにはミストタイプ、ミルクタイプ、クリームタイプなどがあります。
ミストは軽い質感が好きな方に、クリームは重めの質感が好きな方に向いていて、ミルクタイプはその中間となります。
一番しっとり重たく仕上がるヘアオイルには、油分が95%~100%含まれており、高ダメージや乾燥している髪質の方に適しています。
頭皮につけてしまうとべたついてしまうため、塗布する際は、毛先を中心に塗るよう心掛けましょう。
3.ドライヤーをする
髪を乾かす工程において、最後のドライヤーは必須です。
濡れた頭皮を放置してしまうと、体温と共に高温多湿の状態となり、頭皮の皮脂常在菌が過剰に繁殖しやすくなります。
また、濡れた髪は傷つきやすいため、そのまま寝ると髪がこすれてダメージを与えてしまいます。
必ずドライヤーを使って髪を乾かしましょう。
ドライヤーを使う時の注意点として、高温の風を使い過ぎると過度な乾燥を引き起こし、髪がパサついてまとまりが悪くなります。
風量の調整できる低温ドライヤーの使用をおすすめします。
ドライヤーで髪を乾かすタイミングは、お風呂上がりにできるだけ早く行うのが理想的です。
ただし、小さなお子様がいる場合などは、それが難しい場合もありますが、髪が濡れたまま就寝することだけは禁物ですよ。
朝のヘアケア
朝にシャンプーをすること、いわゆる『朝シャンプー』はおすすめしません。
その理由として、朝のシャンプーにより、夜間に分泌される皮脂膜も洗い流されてしまうからです。
この皮脂膜は自然な保護クリームと言われ、頭皮と髪を保護し紫外線からも守ってくれます。
もし寝癖が気になる場合は、お湯で軽く濡らし、整えてからスタイリングを行いましょう。
外出予定がある場合は、髪のUVケアスプレーを使用することをおすすめします。
これにより、髪へのダメージを軽減し、頭皮を紫外線から守ることができます。
まとめ
正しいヘアケアをするかどうかで、製品の良し悪しは変わってきます。
美容室ですすめられた良質な製品を使っても、「あまり良さがわからない」「効果が感じられなかった」といった方は、実は正しいヘアケアができていないのかもしれません。
まずは、これらの正しいヘアケアを日々徹底することで、頭皮や毛髪の状態が好転するかもしれません。
参考にしていただき、習慣にしていただけると幸いです。
シャンプーソムリエのあとがき
お客様のヘアケア方法を伺うと、頭皮にトリートメントを塗布してしまったり、タオルで強くこすったり、ドライヤーをあまり使わずに自然乾燥させたりしている方など、間違ったケアをされている方も多く見受けられます。
一般社団法人シャンプーソムリエ協会では、シャンプーやトリートメントの内容成分だけでなく、正しくヘアケアすることが実はとても重要だと考えられています。
正しいヘアケアを習慣にするだけで、頭皮と髪の状態に劇的な変化をもたらすことができます。
ぜひ実践し、健やかな頭皮と美しい髪を手に入れてくださいね。