正しいシャンプーの回数や洗い方をご紹介
2023.7.28
清潔で健やかな頭皮環境や髪のコンディションを保つには、毎日のシャンプーがとても大切です。この記事では、シャンプーについての正しい知識やメリット、デメリットなどをお伝えします。
シャンプーって毎日しないといけないの?そんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか?美しい髪は健康な頭皮環境があってこそ成り立ちます。
そこで見直してもらいたいのが『正しいシャンプーのやり方』です。シャンプーにおけるポイントをぜひ知ってください。
1日のシャンプーの回数とは
髪を洗う回数は基本的には1日に1回で充分です。シャンプーは頭皮や髪に負担をかけず行うことが理想ですが、1日に洗う回数が増えると頭皮の乾燥や皮脂の過剰分泌が進み、髪のパサつきや広がり、ヘアカラーの褪色にもつながるため、洗いすぎには注意が必要です。
では、髪を洗うタイミングは?と思われる方もいらっしゃると思いますが、夜寝る前が理想的です。頭皮は全身で最も皮脂腺が多く、顔のTゾーンの約2倍以上存在しています。なので、毛穴に1日で溜まった皮脂を適度に洗浄しないと酸化が促進され、フケや頭皮ニキビ、頭皮臭、薄毛、抜け毛などの原因になります。
その他に、シャンプーには気分をリセットさせる効果もあります!シャンプーをした後は髪全体がよい香りに包まれ、清々しい気分になりますよね。そして頭にはたくさんのツボがあるので、揉み洗いをすることで疲れがとれ心地のよい睡眠に繋がることでしょう。
髪を洗う頻度を増やすデメリット
髪を洗いすぎるとどうなるのでしょうか?例えば、手洗いで考えてみましょう。何回も石鹸を使って手洗いを繰り返すと、当然ですが手がカサカサになりますよね。
人間の肌は一枚で繋がっているので、もちろん頭皮も同じような状態になります。頭皮が乾燥気味やエイジングしている人はシャンプーの回数を増やすとトラブルになるケースがあるので注意しましょう。
髪の毛も同様です!乾燥毛やくせ毛の人は洗いすぎると髪がパサパサになり、まとまらなくなることがあります。
こんな症状が出たら洗いすぎかもしれません。
頭皮の乾燥
シャンプーの回数が増えると皮脂を取りすぎ、肌の細胞間脂質や保湿成分を洗い流してしまい、頭皮が乾燥します。正常な皮膚の表皮は水分と皮脂によって外部から異物が侵入しないようバリア機能の役割を果たしていますが、皮膚が乾燥することにより皮膚バリア機能が低下し、外部からの刺激を感じやすくなり「かゆみ」が発生します。この「かゆみ」がでることにより、掻いてしまい角質層が傷つき、頭皮トラブルにつながる恐れもあります。
乾性のフケ
皮脂が必要以上に落とされると、白く細かいカサカサしたフケが発生します。この症状の原因として、潤いのない乾燥した頭皮は免疫力が低下し、ターンオーバーのリズムが早まり、まだ未熟な角質細胞まで剥がれ落ちるようになります。
髪のダメージ促進
過度なシャンプーは、髪のパサつきやツヤの低下につながります。特に洗浄力の高いシャンプー剤を連続で使用した場合、パーマやヘアカラーをした時と同じくらいのダメージにも相当します。ハイトーンカラー(ブリーチ)の毛髪だと断毛する可能性もあります。髪にくせがある人や多毛で広がりやすい人も洗いすぎると油分が不足し、髪のまとまりが悪くなるので注意しましょう。
髪を洗う頻度を減らすデメリット
髪を洗わなさすぎるとどうなるのでしょうか?
脂性肌の人がトラブルの対象になりますが、シャンプーの回数が少ない(洗浄不足)と頭皮や毛穴に皮脂が溜まり、細菌が繁殖し炎症を起こす可能性があります。代表的なものが「脂漏性湿疹」です。頭皮の常在菌であるマラセチア菌が必要以上に増殖して引き起こされ、頭皮の赤みやかゆみ、フケなどが主な症状になります。なので、皮脂分泌の多い脂性肌の人はやはり毎日のシャンプーで清潔な状態を保つことが重要です。
頭皮の臭いの原因にも
シャンプーの回数が足りておらず、頭皮の皮脂や汚れをしっかりと落とせていなかったり、シャンプー剤がしっかりと流せていなかったりすると、皮脂や汚れを栄養とする皮膚の常在菌が必要以上に増殖し、頭皮臭が発生します。また、流しが不十分で頭皮に残った皮脂も酸化し臭いや抜け毛の原因になります。
スタイリング剤やアウトバストリートメントもしっかり洗い流しましょう!
髪のスタイリング剤や髪のコンディションを保つために使用している人も多いと思いますが、これらをその日のうちに洗い流さないと髪の臭いやベタつきに繋がります。なので、使用した時はその夜にしっかりとシャンプーで洗い流すことをお勧めします。
髪の正しい洗い方
頭皮や髪を清潔な状態に保つために行うシャンプーですが、「正しいシャンプーのやり方」を知っていただくことも重要です。以下が基本となる正しいシャンプーのやり方です。
1. 予洗い
入り口として、予洗い(湯シャン)である程度の汚れを落としていきます。予洗いの際には、お湯の温度を38〜40度に保つことが理想的です。この予洗いを3~5分ほど丁寧に行えば、約80%の汚れは落とすことができ、シャンプー時の泡立ちも良くなります。
2.適切なシャンプー剤選び
予洗いが終わったら、適切なシャンプー剤を選ぶことが重要です。乾燥肌の人はベタイン系やPPT系などの脱脂力の少ないタイプのシャンプー剤を使用し、脂性肌の人は酸性石鹸系やノニオン系などの脱脂力の高いものを選ぶと良いでしょう。また、髪のダメージも考慮して選ぶ必要があります。シャンプー剤の使用量にも注意しましょう(ショートの場合は100円玉くらい、ロングの場合は500円玉くらい)
3.シャンプーの流し
シャンプーが終わったら、お湯(38~40度)でしっかりと流せば頭皮の油汚れを綺麗に流すことが可能になるのですが、ここでの流し時間の目安もやはり3~5分。しっかりと流せていないと頭皮にシャンプー剤が残りやすくなり、皮膚トラブルの原因や髪のベタつきや臭いの原因になるのでしっかりと流しましょう。
4.トリートメント
髪のダメージを補うために、トリートメント剤を使用することをお勧めします。ヘアカラーやパーマなどでダメージを受けた髪は、油分が少なくなっているため指通りが悪くなったりパサついたりツヤもなくなってきます。
5.トリートメント剤の流し
トリートメント後の流しも、38~40度のお湯でしっかりと行いましょう。ここでの流し時間の目安も3~5分です。髪に必要以上のトリートメント剤が残ると、ドライヤーでの乾きが悪くなったり髪のベタつきや臭いの原因にもなります。
6.タオルドライ&低温ドライヤー
シャンプーとトリートメントが終わったら、最後の仕上げです。濡れた髪を優しくタオルで拭き取る際には、髪をガシガシと拭くのではなく、地肌の水分を取るような感じで行います。そして、使用するドライヤーは低温で風量のあるものがお勧めです。高温のドライヤーは過乾燥をまねき、パサつきやすく髪のまとまりが悪くなります。
海外では髪を洗う頻度はどのくらい?
日本人は毎日お風呂に入り、その度にシャンプーをすることが一般的ですが、海外ではどうでしょうか?
海外では日本人のように毎日シャンプーをする習慣はないと言われていますが、アメリカ人の場合を調べてみると、お風呂(シャワー)は毎日の人が多いようですが、シャンプーは週平均で4回以下の頻度で行われているようです。
つまり、2日に1回程度のペースで髪を洗うことになります。そのため、洗浄力の強いシャンプー剤でも泡立ちが悪い場合もあるかもしれません。したがって、乾燥肌やダメージ毛の方は海外のヘアケア剤や海外を意識した国内メーカーの製品を選ぶ際には注意が必要です。
まとめ
シャンプーをする回数には個人差がありますが、自分の頭皮タイプや髪の状態に合わせた選択が非常に重要です。自分の状態を把握し、適切なケアを行うことで、健康で美しい髪を保つことができます。頭皮が乾燥しているのか、皮脂分泌量が多いのか、髪の状態はどうかなどを理解し、適切な選択をするよう心がけましょう。
シャンプーソムリエのあとがき
「美」は毎日のホームケアがあってこそ成り立ちます。最近では、皮膚疾患、敏感肌、抜け毛、薄毛などで悩む方が増えていることを、サロンワークを通じて実感しています。そんな中で見直していただきたいのが、「正しいシャンプーのやり方」です。シャンプーソムリエとしては、皆さまに適切なシャンプー剤を使った正しいシャンプーのやり方を知っていただき、清潔で健やかな頭皮環境や髪のコンディションを保っていただきたいと願っています。