エイジング毛はタンパク質で内側からケアを
2023.3.31
昔はサラサラだった髪が、いつの間にかクセが出ているな、こんなクセってあったかなと感じることはありませんか?
年齢を重ね、強くなった髪のクセはエイジング毛が原因かもしれません。
今回は、肌や内臓と同じように訪れる頭皮、髪の毛のエイジングについて、原因や必要な栄養素をみていきましょう。
女性に多く見られるエイジング毛とは
エイジング毛とは30歳から35歳あたりから、細くなりクセやうねりが出始めた毛髪のことをいいます。
毛髪は肌から生え、頭頂部の肌を私たちは「頭皮」と呼びますが、この頭皮も毛髪と同じく変化していきます。この変化を老化とも言いますね。
「なんだか昔と髪質が変わってきたな」とか、「シャンプーやトリートメントは変えてないのにパサつきが気になるな」といった変化はエイジング毛かもしれません。
そして毛髪や頭皮のエイジングには栄養不足が関係しているといわれています。
髪を構成している成分とは
では、エイジング毛の原因となる栄養についてみていこうと思いますが、そもそも髪を構成している成分をご存じですか?
私たちの身体を構成する主な成分は「水:約62.6%」「タンパク質:約16.4%」「脂質:約15.3%」「ミネラル:約5.7%」と言われています。
そして、その内の毛髪を構成する主な成分は「水:約11%」「タンパク質:約79%」「脂質:約1%」「ミネラル:約5%」「メラニン:約4%」と言われています。
美髪に欠かせないタンパク質
毛髪の約8割を構成しているタンパク質。
炭水化物や脂質とならぶ三大栄養素のひとつということはご存じかと思いますが、実際にどんな働きをしているかご存じでしょうか。
プロテインなどカラダを鍛えるシーンで必要とされるイメージが強いかもしれませんが、タンパク質は筋肉や臓器、肌、酵素、免疫物質などを作ったり、栄養素を運搬したりと、目に見えない部分で活躍してくれる一方で、髪の毛や爪が伸びるなどわかりやすい部分でも日々活躍しており、不足すると筋肉量の低下だけでなく、健康面で様々な影響が考えられる栄養素と言えます。
タンパク質は体内で日々合成と分解を繰り返しており、体内に新しいタンパク質を摂り入れながら、古くなった部分は分解されて体外に排泄されるというサイクルが回っています。健康的な成人の場合は合成と分解のバランスが釣り合っている状態であり、過度なダイエットや食事が偏ったりするとバランスが崩れてしまいます。
タンパク質が不足したり、バランスが悪くなると髪の毛の質に影響を及ぼすというのは、構成の8割の占めることを踏まえると想像に難くないと思います。
1日に必要なタンパク質の量
ではタンパク質は1日どれくらいの量を摂取したらよいでしょうか。
タンパク質の必要量は年齢や性別、体重などによっても異なります。
厚生労働省が定める日本人が摂るべきタンパク質の食事摂取基準にも記載がありますが、例えば10代後半以降の男性は60~65g、女性が50gとされています。
ただし、妊娠・授乳中の女性は追加の摂取量(付加量)が定められているほか、育ち盛りの年齢や激しい運動をしている人なども上記の量では不足することがあります。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より
タンパク質が豊富な食品
1日のタンパク質推奨摂取量がわかったところで、どんな食事で摂れるかがわからないと65gのタンパク質を摂取することは難しいですよね。
タンパク質が豊富な食品といえば、魚介類、豆類、卵やブロッコリー、鶏むね肉などがよく取り上げられていますが、例えば鶏むね肉(皮付き)だと100gで20g前後、ブロッコリーだと100gあたり5g前後のタンパク質が含まれていると言われています。
トレーニングされている方が鶏むね肉やゆで卵をよく食べているのは、タンパク質が豊富な食品だからということがわかりますが、調理方法や他の栄養素との摂取バランスによってはタンパク質が無駄になってしまうこともあるので、気をつけて摂取することを心掛けてくださいね。
エイジング毛と上手に付き合うタンパク質摂取方法
年齢を重ねると食事の量も自然と減っていくことが多いので、意識して摂取することが必要になってきます。そして、加齢と共に色々な機能が衰えていくのと同様にタンパク質を体内で合成する力も落ちてきます。
よって、先にも触れたようにタンパク質は他の栄養素と合わせて摂ることでタンパク質の合成を助けたりするのでバランスよく栄養素を摂取することと、良質なタンパク質を摂ることが重要になってきます。
タンパク質を摂取すべき時間とタイミング
美容や健康のために効率よくタンパク質を摂取するには、一気に摂るのではなく3回の食事でバランスよく摂ることが良いとされていますが、毎食同じようにタンパク質を多く含んだ食事を摂ることはむずかしいですよね。
特に朝は前の食事からの時間が空いていて、タンパク質は体内で不足した場合、生命維持にかかわることに優先して使われるため、髪や肌は後回しになりかねません。
タンパク質は体が動き出す起床後1時間以内に摂取することが良いとされているため、不足しやすい朝食では意識的に摂取しましょう。
美容という側面においては、スキンケアやヘアケアで外から整えるのも効果的とは思いますが、髪の内部で起こるエイジングなので日々の生活でタンパク質を十分に摂取してあげることが重要です。
手軽にタンパク質を摂取するならプロテインがおすすめ
起きてからすぐに、それほど多く朝食は食べられない!という方はプロテインサプリメントで上手にタンパク質の供給をすることがおすすめです。
プロテインというとトレーニングをしている人が飲むイメージが強いですが、最近では美容健康を目的に飲んでいる人も増えてきています。
肌の調子が気になる方、髪のボリュームや毛量が気になっている方は、日々のスキンケアやヘアケアに加えてタンパク質を意識して摂取すると改善が期待できますよ。
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エイジング毛のケアは内側から
年齢を重ねると、気になり始めてくるエイジング毛。
シャンプーや美容液でのケアに目がいきがちですが、日々の生活では内側からケアしてあげることも大切です。
継続的なケアが不可欠な美髪づくりですので、苦にならないよう自分なりの取り入れ方を見つけてくださいね。
一般社団法人シャンプーソムリエ協会代表理事
オーソモレキュラービューティマスター主宰
シャンプーソムリエ 関川 忍