自宅のシャンプー剤は大丈夫!?腐ったシャンプー剤の見分け方
2024.7.26
こんにちは。シャンプーソムリエ認定講師の上田明弘です。
タイトルを見て、何のことだろうと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、シャンプー剤が実は腐るということをご存知でしょうか。
普段バスルームに置いて何気なく使っているシャンプー剤が実は腐っていたらとても嫌ですよね。
この記事では、なぜ腐るのか、腐るとどうなるのかと、腐らせないための対処方法についてお伝えしたいと思います。
シャンプー剤はなぜ腐るのか
シャンプー剤はどこに置かれているかを考えてみると、「バスルームです」とお答えされる方がほとんどではないでしょうか。
ここで改めてバスルームがどのような環境かを考えてみると、誰もがご存知のとおり高温多湿の環境になりますよね。その環境下は雑菌の繁殖が活発になる要素となります。
では、シャンプー剤を構成する成分で1番多いものって何なのか……。実は、お水になります。シャンプー剤の成分表示(裏面)を見ると、1番最初に表記してあるのはそれが理由です。シャンプー剤の70〜80%は、お水でできています。つまり、この条件で腐りやすい構成になっているという事です。
その中でも、アミノ酸系の洗浄成分(界面活性剤)が使われているシャンプー剤は特に注意が必要です。このアミノ酸系のシャンプー剤、少し価格は高めですが、洗浄力は穏やかで、ダメージした毛髪にも優しいという特徴があります。
ただ、アミノ酸とはタンパク質が細かく分解された状態です。つまり、お肉を高温多湿で水に溶け込んでいる感じです。数日経つとどうなるでしょうか?あまり想像したくないですが、きっとみなさんも状態を想像できるかと思います。
腐ったシャンプー剤を使うとどうなるのか
腐敗したシャンプー剤の中は、大腸菌のようないわゆる雑菌が増殖した状態なのでそのシャンプー剤で髪を洗うと…、ちょっと想像するだけで寒気がしてきますね。雑菌が頭皮に付着することになり、頭皮トラブルを引き起こす原因となってしまうのです。
シャンプー剤の使用期限の目安はどれくらい?
開封済みの場合、250gの容器で毎日1ポンプほど使って1ヶ月半程度、500gでも3ヶ月程度でなくなりますので、毎日使っている分には、特に使用期限について考えなくても問題はないと思いますが、目安をお伝えいたします。
開封済みのもので、浴室に置きっぱなしの場合
無添加や防腐剤フリーのものは3ヶ月以内、防腐剤が入っているものは、6ヶ月以内には使い切ることをおすすめします。
しかし、防腐剤未使用を謳っていてもアミノ酸やタンパク質系の成分が高配合の場合は3ヶ月を超えると腐敗する可能性があります。なので、それらのシャンプーは清潔な状態の小さな容器に入れて、1ヶ月~1ヶ月半に使い切るのがベストです。
未開封の場合
未開封のものは保存状態にもよりますが、一般的な環境であれば3年以内には使うことをおすすめします。もちろんですが、出来れば購入してすぐ使用するのがベストです。
腐ったシャンプー剤の見分け方とは
では、腐ってしまったシャンプー剤を使わないためにはどうしたら良いか。
食品のようにはいかないので、ここは注意が必要です。
実際シャンプー剤には、腐らないためにも「防腐剤」や「酸化防止剤」などが配合されていますので、先ほど述べたお肉の話とは状況が違っています。
ここで重要なのは、防腐剤未使用・無添加・アミノ酸系シャンプー。これらは腐りやすい傾向にあります。では、実際腐ってしまったシャンプーをどのように見分けるのかについてご説明します。
次の2点には、気をつけてください。
腐ったシャンプー剤の見分け方① 「香り」
まずは、香りが変化します。シャンプー剤によっては結構しっかりした香りをつけいているものもあり、ものによっては判別が難しいものもありますが、腐敗が進むことでその香りに影響が出てきます。
新品の時の香りと比べてみると全然違いますので、香りが何か変わったなと思ったらシャンプー剤が腐ってきたと思ってください。
腐ったシャンプー剤の見分け方② 「粘度」
もう1つの目安は粘度。
こちらの方がわかりやすいかもしれませんね。
新品の時はとろみがあったのに、水っぽくシャパシャパになった状態は危険です。
実際、私は腐ったシャンプー剤を手に取ったことがありますが、すぐに違いがわかるほどでした。この状態は、シャンプー剤の中で雑菌が繁殖してしまった証拠なので使用はNG。
シャンプー剤を手に取った際にチェックしましょう。
詰め替えシャンプーの詰め替え方には注意が必要!
ご家庭では、詰め替え用(大容量)のシャンプー剤を、ボトルに詰め替えてお使いの方も多いと思います。市販品はもちろん、理美容室専売品もそちらの方がグラム単価も少しお安くなってお得ですし、環境のことを考えて推奨しているメーカーさんも増えてきました。
さらにそれがお気に入りのシャンプーだったら、こんな嬉しいことはないですもんね。ただし、気を付けなくてはならないことは、詰め替え方になります。
大多数の方が、「詰め替え」ではなく「注ぎ足し」になっているのではないかと思います。
「注ぎ足す」ということは、古くなったシャンプー剤に新しいものを加えている状況なので、もしかしたらそろそろ腐ってしまう状態にあったところに新しいものを足しているということにもなりかねません。さらに、ボトルの周りや注ぎ口などには外気に触れてちょっと硬くなったり、劣化したシャンプー剤などが付着していることもあり、衛生面を考えるとあまり良い状況とは言えません。
やはり読んで字の如くで、継ぎ足すのではなくて、使い切った後にシャンプーボトルの中は1度しっかり水洗いし、乾燥させてから詰め替えることをおすすめします。
「はっ!私、注ぎ足しているわ!!」と思われた方は、次回からは少し面倒かと思いますが、鮮度を保つためにはこの詰め替え方がベストな方法だと思います。
シャンプー剤の状態を良い状態に保つ
毎日シャンプー剤を使い、使い切るまでの期間がある程度短い場合はそこまで神経質に考えずとも大丈夫だとは思いますが、上述の通り、特に、防腐剤未使用・無添加・アミノ酸系の商品、さらにはケラチンやコラーゲンなどのタンパク質系の洗浄成分やトリートメント成分が高配合のシャンプー剤は腐りやすいので注意が必要です。
シャンプー剤の正しい保存方法
では、シャンプーを腐らせないようにするためには、日々どのように保存をするべきなのかについてご説明します。
使用中のシャンプー剤の保存方法
浴室内に置きっぱなしの方が多いと思いますが、なるべく浴室から持ち出して風通りが良い(湿度が低い)場所に置いておくと良いです。
浴室自体もカビの繁殖など衛生面を考えると、毎日新鮮な空気を取り入れて湿度を調整してあげた方が良いのですが、中々面倒だったりしますよね。
浴室に窓がある方は風通しの良い場所を選んで置いておくなど、少しでも湿度が低い場所に置いてあげるようにしましょう。
ご自宅にストックしているシャンプー剤の保存方法
湿度が低く、あまり紫外線にさらされない冷暗所での保管がおすすめです。
お風呂場やトイレ、洗面所まわりにストックを置ける場所がある方も多いと思いますが、一度湿度をチェックしてみても良いかもしれませんね。
最後に
いかがでしたか?
少し面倒かもしれませんが、せっかく選んで使っているシャンプー剤。腐っていると知らずに使用し続けていると頭皮トラブルの原因にもなるので、こういったシャンプー剤の保存方法にも目を向けてみてくださいね。