日本人が好むオールインワンの化粧品って、ほんとに一つでケアできるの?Vol.2
2017.10.27
前回に引き続き、今回も日本人の大好きなオールインワン化粧品について。今回はその人気の火付け役とも言える「オールインワンジェル」について。「これ一つでOK!」のうたい文句は大変魅力的ですが、実際のところはどうなのでしょう?そんな疑問にお答えします!どんな化粧品も、自分の肌にしっかり向き合って使用することが大切です。
さて、オールインワンという意味、ネットで調べてみると、
「いくつかの物や機能が一つにまとめられている形態のこと」
と出てきます。
化粧品で言うオールインワンという製品は、メーカーのうたい文句に当てはめると、「スキンケアはこれ一つでケアできます」という意味がほとんどです。
そこで前回は、バーム状のクリームをオールインワンとして使う場合、単純に油脂、ロウ類の塊のクリームであるために保湿のバランスは偏ってしまい、それだけで1年を通してのケアは出来ないという話をしました。
もちろんバームが悪いわけではない。肌の保湿を強化するために取り入れるのは良いアイテムです。でも、これ一つでケアできるとうたうのが悪いんです。
大人気の「オールインワンジェル」はどう?バーム系オールインワン化粧品との違い
世の中のオールインワンとうたう化粧品には他にもいろいろな形状のものがあります。
例えば代表的なものがジェル。
テレビCMなどを見ていても、一番宣伝しているのがこのジェルタイプですね。
「○種類の美容成分を配合したオールインワンジェル!」なんてうたうお化粧品、それはもうたくさんありますしね。
そしてもちろん、オーガニックやナチュラルコスメにもあります。
こちらも製品が悪いのではないのです。やはり、これ一つでケアできるとうたうのが無理なのです。
ジェルの場合、水分とジェル状になるとろみやしっとりする効果を高める保湿剤が多く使われます。それによりプルプル肌になったように錯覚します。
でもね、これ、油分があまり入っていない、もしくは全く入っていないものばかり。
一方でバームは、油脂、ロウの塊なのでほとんどアブラの塊。
ジェルは水分や水分の保湿を高める成分が入っているものの、逆に油脂成分が極端に少ない…。
どちらも偏っている。
したがって、快適に使える年齢や季節は狭まり、肌のべたつきやインナードライ肌がなくならないのです。
スキンケアは100人100様。オールインワン化粧品だと個別に調整できない
メーカー側としてはきっと、「何が悪いの?」「オールインワン化粧品だってきちんとケアできるわよ!」って思うかもしれません。
でもね、一般消費者は肌の知識なんてない。買ったものをただつけるだけの人がほとんど。
それにスキンケアはみな100人100様なのです。
実はそこが落とし穴。
例えば2人が同じジェルのオールインワンを使っていたとします。スキンケアにはクレンジングや洗顔も必要になりますから、そこが違っていればオールインワン製品の効果は同じではなくなります。
Aさんはオイル乳化型のしっかり落ちるクレンジングで洗い、その後に石鹸でもゴシゴシ。すっきりさっぱりした肌にジェルをたっぷり塗る。
Bさんは優しいミルククレンジングでメイクを落とし、その後洗い流しておしまい。洗顔後にジェルを塗る。
この2人のジェルの効果は、洗顔の仕方で、保湿がまかなえるかどうかが変わってしまいます。
当然前者は洗いすぎるために自力の保湿がなくなり、ジェルだけのケアでは時間が経てば乾燥肌に傾くでしょう。
それに季節だって変わります。気温や湿度が変わるから私たちは服装も同じではないですよね。それと同じで肌の保湿の高さもバランスをとっていかないといけません。
だから
・水の調節ができる化粧水
・油分の調節ができるクリーム類
・水を抱えてみずみずしさを持続する保湿剤が多く配合されたジェル美容液
と3つに分けてその時々で調節しなければならないのです。
だから世の中の化粧品は、「化粧水」「美容液」「クリーム」を必ず出している。実はこれ、肌に入れる保湿の順番やバランスに意味があるからなんです。
この保湿のバランスの原理をわかっているメーカーは、たとえ3つのアイテムがなくても、製品を工夫して保湿のバランスを調節できるように作っています。
ここは説明すると長~~~~くなるので私のスクールに来ていただくのが良いと思いますが…
とにかく、一つでは保湿のバランスの調節が出来ず、肌と会話ができない!そういうことなのです。
ついつい面倒と思ってしまうスキンケア。でも、年齢とともに自分の肌が愛せるよう、会話をしながら向き合ってほしいです。
小松和子・須長和美主宰
ナチュラルライフ&ビューティースクール
またまた長くなりそうなオールインワン化粧品のお話。次回は、オールインワンが最もふさわしいアイテムのお話をさせていただきます!