日本人が好むオールインワンの化粧品って、ほんとに一つでケアできるの?Vol.1
2017.10.10
「オールインワン化粧品」の魅力はなんといっても時短、手軽さ、コストパフォーマンス。皆さんも一度は使ったことがあるのではないでしょうか?でも、オールインワン化粧品に頼りすぎると、知らないうちにインナードライ肌になってしまっていることも。今回は3回に渡ってオールインワン化粧品との上手な付き合い方を見ていきたいと思います。
秋ですね。
そろそろ気温と共に湿度も下がり始め、肌の乾燥を感じる季節に突入します。
今日は、日本人の大好きなオールインワンという製品についてお話ししたいと思います。
当たり前になったオールインワン化粧品
テレビCMなどを見ていても、美容雑誌や通販誌でもこんな言葉を見かけませんか?
「これ一つでOK!」
「これ一つで高保湿!」
「○○つの美容成分を配合したオールインワンジェル!」
皆さんも、一回くらいはこんな類のものを購入したことはないでしょうか?
私が若い頃の化粧品はジェル系の化粧品やオールインワンをうたうものってまだあまり見かけなかったかもしれません。当時は、メーカーの製品をシリーズで買うのが普通だったような気がします。
いったん化粧品カウンターに座らされると、ラインで購入させられる恐怖もあるので迂闊に店頭に行けませんでしたね。(笑)
今ではそんな化粧品の選び方は絶対しないし、自分に必要なものはもうわかっていますから、メーカーのうたい文句にはひかれることはまったくありません。
そして、もちろん、オールインワンという言葉にも。
皆さん、オールインワンってどういう意味なのかご存知ですか?
オールインワン。
何をもって、そう表現するのでしょうか?
調べてみると…
いくつかの物や機能が一つにまとめられている形態のこと
と出てきます。
そしてこれを化粧品に当てはめると、多くのメーカー側が使っている「これ一つで」という言葉がさす意味は、当然、「スキンケアはこれひとつでケアできます」ということになるでしょう。
さて、オールインワン化粧品で本当にケアができるものなのか?
私のアトリエに来るお客様の中で、こうしたオールインワン化粧品として売られている製品を使っている方のほとんどが、肌悩みの回答に「乾燥」を訴えています。
それもかなりなインナードライ肌になっている場合が多く、大抵はつやが無く、見た目に小じわが出やすい人か、皮脂バランスが整っていない様子。
アトリエではご自身に合いそうな製品でスキンケアやメイクをレッスンしていただくのですが、必ず「こんなに肌が柔らかくなるなんて…。」と感動して帰っていきます。
これは保湿の極意を学んで帰っていただく結果であり、難しいことでも何でもなく、ただシンプルに、肌には何が必要で、どんな順番でスキンケアを重ねるかという手順を実践するだけのこと。
結果論から言えば、やはりオールインワン化粧品ではケアは難しい。
オールインワン化粧品の限界
そもそも、「これひとつで!」の製品が、100人いたら100人の肌全てに対応できるのか?
季節や年齢関係なくどんな肌にも適切なケアができるのか?
そんなことを考えただけでも無理なのは理解できるはず。
メーカーとしては、たくさんの製品を出してリスクを生んでしまうのは厳しい。そして一つでケアできるという製品なら、キャッチもいいし売りやすい。
そんな理由でオールインワン化粧品を作るところも多いのです。
でも実際は製品の保湿のバランスは大きく偏っているものも多く、肌の内側から潤いが感じられないものばかり。
保湿の偏りから、インナードライ肌に
オールインワン化粧品として販売されているけれど、保湿バランスが著しく偏っている例としてあげると、バーム状のクリームなどがあげられます。
こうした製品の構造は、簡単に言えばミツロウのリップクリームと同じ構造。
油 + 脂 + ロウ = バーム
という構造。
ちなみにバームが悪いということではありません。
バームを販売メーカーがオールインワン化粧品とうたうことが悪いのです。
バームには水やその水を抱え込んだり、逃がさないようにするジェルのような保湿成分が入っていません。
単純に油脂類の塊です。
そもそも肌はそうした油類だけでできているわけではありませんから、肌の保湿のバランスが大きく偏ります。
もし乾燥しやすいエイジング年齢層の肌に、それだけでケアをすると肌表面がべた付き、内側が乾いているようなインナードライ肌になるのです。
ちなみにバームやオイル類は、界面活性剤も使わず、べた付かないで上手く肌に入れる工夫があるのですが、それはスクールやアトリエのお客様しか教えていない特別な方法なので気になる方はぜひいらしていただければと思います。
小松和子・須長和美主宰のナチュラルライフ&ビューティースクール
さて、次回はオールインワンのジェルタイプがケアできない理由や、オールインワンが最もふさわしいアイテムもあるという事をのせていきたいと思います。
オールインワン化粧品…
使っていても潤いが足りないと思っている人は、本当のケアを見直す機会かもしれません!!