2017年7月10日 更新

コラーゲン研究最前線!!野村教授インタビュー(前編)~プロが薦めるセルフケア~

6年前、『世界一受けたい授業』で一大コラーゲンブームを巻き起こした東京農工大教授で硬蛋白質利用研究施設の施設長 野村義宏教授に、コラーゲンの秘密と解き明かされた最先端の研究成果をインタビュー。美容と健康の決定打"コラーゲン"の活用方法に迫ります。

東京農工大硬蛋白質利用研究施設にて

東京農工大硬蛋白質利用研究施設にて

野村義宏施設長(教授)
聞き手:野口花琉実

インタビュー:コラーゲン研究最前線

「美しい肌になる」ということは、年齢に関係なく女性にとっては永遠の課題です。
こんにちは、野口 花琉実です。
私も、サロンやセミナーで、さまざまな美容法やお手入れ法をお伝えしていますが、肌の美しさを保つための必要不可欠なものについて、今回は少し掘り下げてお伝えしたいと思います。

その為に、美容家としての私の話だけではなく、更なる専門家である研究者・コラーゲン博士の野村教授に深~いお話をお伺いしました。私も常々知りたかったあんなこと、そんなこと、美容についての質問をぶつけてみました。盛りだくさんの内容になりましたので、2回に分けてお伝えしたいと思います。

野村先生は日本で最初に動物・海産物などからのコラーゲンの抽出を実現し、美容業界や研究業界にその技術を広めた方。美容・健康・食品・医療業界等、様々な企業との共同研究や特許を取得され、今やコラーゲンだけではなく植物療法家の間でも注目の抗酸化物質の研究など、幅広く興味深い研究をなさっています。その野村先生の研究室にお邪魔しました。
東京農工大 農学部

東京農工大 農学部

農工大学農学部の緑に包まれた広大なキャンパスの獣医棟の奥に野村先生が施設長を務める硬蛋白質利用研究施設があります。そちらの教授室にてお話を伺いました。

硬蛋白質利用研究施設は、40年以上前に設立した日本唯一の研究施設。畜産廃棄物の再利用という課題から余った皮からコラーゲン等の商品を作ることから始まり、食用などで使われた動物や魚介類の余った部分の再利用を行う研究を行ってきました。様々な経緯を経て、まずは医療用途でのコラーゲンを作るということで野村先生のコラーゲン研究がスタートしました。今ではコラーゲンだけでなく、美容や健康分野に広くかかわる研究をするようになったそうです。

コラーゲンはさまざまな商品に入っていますが、
「それが本当に確かなものなのか?」
「コラーゲンの優れた機能がしっかりと認知されているのか?」
といった疑問がありました。
私も、お話を伺うまで「そこまで!」とは知らず驚くばかりでした。

コラーゲン研究30年間の成果

花琉実:コラーゲンをターゲットにしたのは、何年ぐらい前のことなのでしょうか?

野村教授:私が研究を始めたのは30年くらい前で、世の中のブームが始まったのは25年くらい前からですね。豚や水産物からコラーゲンを作ることが出来るようになったのですが、その研究でついて回ったのは、ニオイですね。
今では、様々な企業が販売しているコラーゲンドリンクなど、とても美味しく飲みやすくなっていますが、昔は、そこが大変でした。

花琉実:私も20年以上前から美容関係の仕事をしていますが、その頃企業さんからコラーゲン粉末を仕入れて飲み物に溶かして飲んでいましたが、確かに少しニオイがあり飲みにくい感じはしていました。あれは、まさに野村先生がご指導なさった企業さんが作ったものですね。そんな昔から美容業界ではコラーゲンが「お肌に良い」ということが注目され、今では女性たちにとっても「若々しいお肌の為にはコラーゲンが必要」ということが当たり前になっていますが、それがどういうことなのか、教えてください。

野村教授:肌の真皮層がコラーゲンで出来ているのですが、簡単に言ってしまうと、コラーゲンはお肌の柱の部分なのです。柱がしっかりとしていなければ家は建ちませんよね。

花琉実:コラーゲンはお肌の土台ですね。先生、そういえば、先生の研究室のビデオにすごいインパクトのあるフレーズがありましたね(笑)
『コラーゲンがないと人はバラバラになる』
この言葉、よく考えてみると、コラーゲンという物質の特徴を良く表していると思いました。

『コラーゲンがないと人はバラバラになる』

コラーゲンがないと…

コラーゲンがないと…

野村教授:本当にそうなんですよ、言葉どおりです(笑)。
人間は、細胞だけで生きていると錯覚しがちですが、細胞が住む家がないと、生命自体が成り立たないのですよね。細胞が集まって心臓や肝臓などの臓器、器官を形作ります。骨や皮膚もそうですけれど、あらゆる器官もコラーゲンという"つなぎ"がなければ、バラバラになってしまいます。
だから逆に言うと、住環境(=コラーゲン)の良し悪しが、細胞(=臓器、骨、皮膚)にも影響を与えるということに他なりません。骨粗鬆症という病態を見てみるとそれが顕著に理解できます。骨粗鬆症の原因をミネラル(=カルシウム)中心に考えてみると実はそうではないんですよ。実際、骨密度が高くても骨折しやすい人が沢山います。
では本当の柱は何か?というと、これがコラーゲンなんですよね。

壁とか補強材であるミネラルに対し、柱であるコラーゲンがしっかりしていれば折れない骨になります。骨の新陳代謝は早く、約100日で入れ替わります。表皮は1ヵ月かかり、真皮はもう少しかかります。

そして実は、骨も皮膚も同じコラーゲンで出来ています。タイプとしてはⅠ型のコラーゲンが多いですね。皮膚との違いは、骨のコラーゲンにはミネラルを結合するタンパク質がくっつきやすい性質を持っています。そして、皮膚はⅠ型コラーゲンが多いところに他の型が少しずつ入っています。その他の型の入り具合によって組織が異なってくるわけです。

腱(※1)もⅠ型コラーゲンですね。腱の興味深い特徴的な構造は、腱が骨の組織に食い込んでいるところですね。そして腱の細胞は、正に骨に接続している箇所にあります。そこが全部コラーゲンで出来ていて、ここが断絶すると非常に修復しにくいですね。腱鞘膜も切れると大変です。

また、野球のピッチャーが投げすぎて痛みが出る、あれなんかも同じですね。筋肉のアクチンとミオシン(※2)のまわりで筋肉をキープしているのがコラーゲンの膜(筋漿膜・きんしょうまく)です。この強化も必要になります。乳酸が溜まるのもコラーゲンの膜です。こうしてみると身体の中でコラーゲンが、非常に重要な働きをしていることがわかります。


※1 腱:筋と骨とを結びつけている白い繊維性の丈夫な組織
※2 アクチンとミオシン:筋収縮時に力を発揮するタンパク質

皮膚という臓器に必要なものは

世界にただひとつのコラーゲン研究施設 『硬蛋白質利用研究施設』

世界にただひとつのコラーゲン研究施設 『硬蛋白質利用研究施設』

花琉実:コラーゲンは本当に大切ですね。皮膚だけではなく、身体中いたるところで重要な役割を担っているのかがわかりました。
ところで、その優先順位みたいなものはありますか?どこのコラーゲンが大事であるとか、ここのコラーゲンなら多少後回しにしても良いですとか…。

野村教授:コラーゲンに優劣はありません。多少、どこかが足りなければ補い合うというのはあるようですが。ただ研究者として気になっていることは、皮膚は臓器と認識している人が少ないことですね。人間の生体防御の最前線は皮膚です。だから皮膚という臓器のコラーゲンは、それなりにしっかりしてなければなりません。皮膚組織の新陳代謝はそれなりに日数がかかりますから、絶えず良質のコラーゲンをキープしていたいところです。

花琉実:コラーゲンを今すぐにでも摂りたくなってきました。
ところで、私が栄養学で習った時は、コラーゲンは吸収される時はアミノ酸になるので、別にコラーゲンで摂らなくても、何かしらの形のタンパク質を摂っていれば同じことだというような認識でしたが…。
学生の愛が感じられます

学生の愛が感じられます

"コラーゲンを摂ると、翌朝お肌プルプル!"の秘密は?

野村教授:そうなんですよ。以前はそう習ったと思います。しかし、今ではコラーゲンペプチドの状態で吸収されることが明らかになり、コラーゲンにしか存在しないペプチドが色んな作用をすることも分かってきているのです。
要するにコラーゲンを食べると血中に吸収されます。調べてみたら、血中に吸収されるコラーゲンペプチドの代表である「プロリルグリシン」は、「プロリン」と「グリシン」というアミノ酸の合わさったものです。
このようなコラーゲンペプチド由来のものが血中に入っていることがわかりました。僕らが習った時代では、コラーゲンはアミノ酸まで小さく分解されて、ようやく血中に入ると教わってきたのですけれど、最近どうもそうじゃない、ということがわかってきました。

血中に出現したということは、届いているのでしょうと。実はコラーゲンは吸収されると30分で体中に届いています。ぼくらが皮膚で測定しても30分で届いているのが確認できます。関節にも届いています。腎臓、肝臓で全てろ過されているものではないということがわかってきました。

コラーゲン摂取後30分で、コラーゲンやヒアルロン酸の合成に関係する遺伝子が増加し、細胞外に蓄積してくるのが12時間から18時間後になると思います。だから、食べた翌朝に「肌がプルプルになった!」という体感は、実はおかしくないんですよ。ただ、あまりにも効果的な人をみると、ああ、この方は普段タンパク質を摂ってなかったのかな…。と思っちゃうこともありますけどね(笑)。

国立大学法人 東京農工大学農学部付属 硬蛋白質利用研究施設

国立大学法人 東京農工大学農学部付属 硬蛋白質利用研究施設
野村義宏施設長の講義動画はコチラから見られます
http://www.collagen-institute.jp/leather/lesson/index.html

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野口 花琉実/ビューティーコンサルタント 野口 花琉実/ビューティーコンサルタント

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