2016年9月6日 更新

香り歳時記 ー9月 菊ー

9月9日「重陽の節句」をご存知ですか?菊を用いて不老長寿を願うそうです。古くから日本人の身近にある菊をご紹介します。

菊は不老長寿の花

昔から奇数は縁起のいい陽数とされ、奇数が重なる日は、めでたい日とされてきました。
1月1日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日。

9月9日は1年で最後の陽数が重なるお祝いの日で、「重陽の節句」と呼ばれています。
不老長寿の霊薬とされている菊の花を浮かべたお酒を飲む「重陽の宴」が開かれる習慣があったそうです。

なぜ菊が不老長寿なのか?
中国の古い言い伝え「菊慈童」の話では、王の怒りを買って山奥に追放された少年が、菊の花から滴り落ちる露を含んだ水を飲んで800年も生きたとされています。
菊は不老長寿の薬として効果が期待され使用され続けていたようです。
「菊慈童」は、日本でも能の演目としてよく上演されています。

古くから日本人に親しまれてきた菊

菊はもともと日本にあったものではなく、奈良時代に中国から薬用として渡来した植物です。
以来、日本人に愛されて今では薬用、食用、観賞用など様々な種類の菊が栽培されています。
皇室の御印になっていることからも、菊が大切にされてきたことがうかがえます。

薬用としては、蚊取り線香の成分に使われたシロバナムシヨケギク(白花虫除菊)が有名ですね。一般的に除虫菊と呼ばれています。

また、「菊の被せ綿(キクノカブセワタ)」という習慣もありました。
朝の霜から守るために菊の花に一晩綿を被せます。朝、その綿を取って体や顔を拭くと無病息災になると言われています。

「朝の霜って、この残暑に?!」と思われる方も多いでしょう。
実は9月と言っても旧歴なので、現在で言うと9月末から11月初めにかけてのことだからです。
菊も古くからフィトセラピー(植物療法)の一つとして、日本の人々の生活に役立っていたのですね。

キク科の精油「カモミール」

アロマセラピーで使われるキク科の精油は、皆さんよくご存知のカモミール。
ハーブティーで使われるジャーマンカモミールはアレルギーの改善などに役立ちます。
私も子供のアトピー性皮膚炎に、ジャーマンカモミール精油を植物油に入れた塗布用のオイルを作って使っていました。
大人になった今では、すっかり治って肌の状態もいいようです。

また子供から大人まで心身の安定を保つ働きのあるローマンカモミール。どちらもアロマセラピーの世界では代表的な精油です。

観賞用の菊もいっぱいありますね。花の大きいもの小さいもの、花びらが開いたもの管状のもの、色の種類も数え切れないほどです。
日本で菊は葬儀に使われることが多いので、何となくイメージが良くない…という方もいらっしゃると思いますが、マーガレットやカモミールも菊の仲間です。多くの方が好きな花なのではないでしょうか。

*キク科植物にアレルギーのある方は、使わないように気を付けてください。
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佐佐木景子/アロマプロデューサー 佐佐木景子/アロマプロデューサー

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